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daily.6 ページ22

◎やすださん

2017年。


『章ちゃん神過ぎる…なにこの曲…!』


ヘッドホンを取った晴人は、まるで子どものような顔をして感嘆の声を上げる。

新しいアルバム『JAM』に入る予定の新曲のデモテープ。一応、僕が作詞作曲させてもらった。


『なんかもう、新たな境地すぎて怖い。オゲレツしか頭に残ってない。』

「なんやねんそれ。」

『オゲレツのとこ歌わせて。』

「いや、そこは亮の予定…」

『章ちゃん天才。ちょっと、もう一回聞く。』



ほんま、晴人は素直でおもしろい。
素直すぎて、傷ついちゃうことも多いんやけどな。


「晴人は今回ソロ曲やろ?順調なん?」


今回、もともとは年上3人と年下5人に分かれてユニット曲を制作する予定だった。

でも、晴人がどうしてもソロ曲をやりたいということで、晴人だけ1人で行うことになったのだ。


『う〜ん、わからん。俺作曲とかできへんからそこはプロの方にお願いしてるから。でも、俺の意見丁寧に聞いてくれて、ほんまに良い人。』

「そうなんや。良い曲、できそう?」

『まあ〜ぼちぼちやな。もう途中でわけわからんくなって夜な夜なみたいな曲ができるかもしれへん。』

「ははっ。それはそれで面白そうやん!」




晴人は去年、初めてのソロコンサートを行った。
今年もやる予定らしく、たぶんそのためにソロ曲を作りたいって思ったのかな?



「ソロコンでもその曲歌うん?」

『んーわからん。まだそんなん全然決めてない。』

「去年見に行ったのめっちゃ良かったから、今年も見に行くで。」

『えっ、ちょっと恥ずかしい。別に良いけど。』





晴人の初ソロコンサート「青い春 vol.1」

そのライブのセトリを見たとき、ファンの人たちや俺たち、誰もが息を飲んだ。

そのコンサートは全ての曲が、晴人が活動休止をしていた2011年、晴人が正式に関ジャニ∞に入る前の2004年、2005年にリリースされた曲で構成されていたのだ。

特に、自分がいなかったデビュー当時の曲を一人でやるなんて勇気がいったと思う。

それでも晴人は、涼しい顔でコンサートをやり遂げたのだ。



「今年はさ、自分の好きな曲やりや?」

『え?なんで?』

「だって去年は…」

『そんなん、去年だって自分がやりたい曲しかやってないで?』



晴人がやりたい曲。




『“青春”を取り戻すために、俺はソロコンやってるんやから。』




それは、青春を取り戻すための曲。

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donco(プロフ) - SEIさん» コメントありがとうございます。楽しみにしていただけて嬉しいです〜! (2021年1月30日 17時) (レス) id: 29bbb7c934 (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - 更新お疲れ様です!とても読み応えのあるストーリーで、お気に入り登録しました!無理のないペースで、更新楽しみにしていますね! (2021年1月26日 15時) (レス) id: fb017ffbce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さざ波 | 作成日時:2021年1月23日 1時

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