daily.3 ページ12
◎うちさん
2019年夏。
「うぃっす〜おつかれ。」
『内くん！おつかれ〜元気やった？』
目の前には、ニコニコとした笑顔で手を振る白岡晴人の姿。
記憶が正しければ、
白岡が二十歳になった年から毎年。
年に一度、誰にも内緒で2人きりの定例会を開いている。
「まあ、ぼちぼちやな。白岡もツアー中やろ？」
『うん。せやけど、内くんも舞台中やん。』
「せやで。お前のために時間作った。」
『俺も。お前のために時間作った。』
「お前って呼ぶなよ！」
『うふふ、ごめんやん。』
俺の代わり、って言ったらそれも違うけど、
白岡には肩を入れずにはいられない。
遠い昔の話。
俺は白岡に救われて
今ここに立てているって、そう思っている。
「何飲む？」
『うーん、とりあえず生で。今日は内くんの奢りやから。』
「なんやねんそれ。まあ奢ったるけどさぁ」
無邪気に笑う白岡は、何も考えていないようで本当は一番よくわかっている。
自分の立ち位置。今やるべきこと。
やってはいけないこと。配慮すべきこと。
こいつが自分を押し殺して、耐えて、頑張ってくれたおかげで。
『やったー！内くん大好き。』
笑い合える今があると思っている。
「なんか、いろいろ大変みたいやな。」
『まあ、大変っちゃ大変やけど。決まったことやから。腹括ってやらなしゃーないよ。』
「なんかあったら言ってな？」
『わかってるって。とりあえず十五祭の最終公演だけ、見に来てくれたら嬉しいってだけ。』
妙に大人びた顔でビールを飲む白岡。
そうだ、もうこれだけの年月が過ぎた。
もうお互い子供じゃない。
「ていうかなんで染めたん？急に。」
話題を変えるべく、俺は最近染めたという白岡の頭を指差す。綺麗に染め上げられた、シルバーアッシュ。
『う〜ん。だって俺、ホワイトやし。なんとなくメンバーカラーぽくしたかってんもん。』
いつのまにか、白岡のメンバーカラーはホワイトになっていた。
2006年くらいかな？白岡のプロフィールが正式に関ジャニ∞のホームページに載せられたとき。
『かっこいいやろ？意外と。』
「うん。たしかに。シルバーやから厳密に言ったらホワイトちゃうけどな。」
『もう、そこは見逃してよ。』
今を大切にしてるし、
進んできた道は間違いじゃないって信じたい。
白岡がいる限り、そう思える気がする。
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donco(プロフ) - SEIさん» コメントありがとうございます。楽しみにしていただけて嬉しいです〜！ (2021年1月30日 17時) (
レス) id: 29bbb7c934 (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - 更新お疲れ様です！とても読み応えのあるストーリーで、お気に入り登録しました！無理のないペースで、更新楽しみにしていますね！ (2021年1月26日 15時) (レス) id: fb017ffbce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さざ波 | 作成日時：2021年1月23日 1時
