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◎よこやまさん


2010年12月31日。

アルバム8UPPERSを引っさげてのライブツアー
今日の昼公演が終わり、残すところはあと2公演となっていた。


「横山さん、白岡さんどこにいらっしゃるか分かりますか?」

楽屋にいると、困った様子のスタッフさんが入ってきた。どうやら晴人がいないらしい。

「さあ…知らんけど。携帯鳴らしてみよか?」

「はい、お願いします。」



…特に、変わった様子はなかったはずや。

たしかに夏のドラマが終わってからはちょっとしんどそうにしてた時期もあったけど、今回のライブはいつも通りこなしてたし。

大人しくなったなって思ったこともあったけど、
二十歳過ぎたからちょっと成長したんかなって、軽く考えてた。



楽屋にいたメンバーは、すばると、大倉。

自然と目を合わせると、大倉だけが少し俯いた。


「なん?大倉、なんか知ってるんか?」

「いや、知ってるってわけじゃないけど。てか、知らんよ。教えてくれへんもん。」


大倉の言葉の真意がわからない。
問いただすと、大倉はどうやら最近晴人の元気が無さそうだと気にしていたらしい。


「でも、分からん。本人は元気そうに振る舞ってるし、大丈夫かなって思って。」



結局、詳しいことは分からず。

鳴らした携帯も、楽屋に置いてある彼のカバンの中でなる始末だった。



不吉な空気が漂う、そんな時間。



しばらくすると、マネージャーが血相を変えて走ってきた。




「みなさん!!すみません救急車呼びます!」



「…は?」



一瞬、理解が出来なかった。



「白岡さん、トイレで倒れてて、それで…」


その言葉を聞いた瞬間、すばるが楽屋から飛び出した。俺も後に続く。









時が止まった気がした。



そこには、信じられない光景が広がっていた。







青白い顔で横たわる晴人と、






散らばる白い錠剤。





ぐちゃぐちゃになった紙を手に取ると、






「向精神薬…」





救急車のサイレンの音が聞こえる。


信じられなくて、


目の前が真っ暗になった。

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donco(プロフ) - SEIさん» コメントありがとうございます。楽しみにしていただけて嬉しいです〜! (2021年1月30日 17時) (レス) id: 29bbb7c934 (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - 更新お疲れ様です!とても読み応えのあるストーリーで、お気に入り登録しました!無理のないペースで、更新楽しみにしていますね! (2021年1月26日 15時) (レス) id: fb017ffbce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さざ波 | 作成日時:2021年1月23日 1時

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