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◎なかまさん
『兄ちゃんな、入院したほうがいいって言うねん。おかしいやろ？俺、何にも悪いとこないのに。』
消え入りそうな声で言う晴人の目には、うっすらと涙が浮かんでいた。
『今年の春にな、実家帰ったとき、みんなが腫れ物に触るような目で俺のこと見るねん。元気ないって。なんかおかしいって言って。』
『俺、全然平気やのに。東京で仕事もちゃんとしてるし、ライブもできてる。メンバーとも仲良くなれたし、みんな何にも思ってない。』
『認めてくれるファンの人も増えて、ドラマの仕事も決まって。』
晴人の震える声だけが部屋に響く。
今までに聞いたことのない、弱々しい声だった。
俺はどうしたらいいかわからず、目の前にいる晴人の手を強く握りしめる。
『俺、これ以上何を頑張ればいいの？俺の何があかんの？』
これ以上何を頑張ればいいのか。
その言葉には彼の悲痛な叫びがこもっていた。
「大丈夫。大丈夫やから。晴人は充分頑張ってるよ。」
『みんな頑張ってるって、言ってくれる。でも、信じられへん。そんなこと、無いのに。』
「…大丈夫。大丈夫やよ…」
俺はぽろぽろと涙を零す晴人に、
ただ狂ったように“大丈夫やから”と言うことしかできなかった。
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donco(プロフ) - SEIさん» コメントありがとうございます。楽しみにしていただけて嬉しいです〜！ (2021年1月30日 17時) (
レス) id: 29bbb7c934 (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - 更新お疲れ様です！とても読み応えのあるストーリーで、お気に入り登録しました！無理のないペースで、更新楽しみにしていますね！ (2021年1月26日 15時) (レス) id: fb017ffbce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さざ波 | 作成日時：2021年1月23日 1時
