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｢A早く食べないと冷めんぞこれ｣
｢あーそうじゃん、いただきます。｣
玄関からリビングに戻ってきたわたしはやっとフレンチトーストに手をつける。
｢ごちそうさまでした。｣
｢俺外で待っとくわ｣
｢おっけー｣
お母さんの見送りでいつも食べるのが遅くなる私は自分の分のお皿だけを洗って外に出る。
早く食べ終わったわくが気を利かせて料理のときに使った食器と自分の食器を洗ってくれるから手間が省けて有難い。
｢お待たせ｣
｢待ってねーよ｣
毎回やるこのくだり。中学生になる前から何十回、何百回とやってきたから今更何がキッカケだとかそんなことは思い出せない。
｢あれ、そうたは？｣
もうひとりの幼馴染、内村颯太。
天然でばかだけど自分があってすごいいいやつ。
｢おまたせぇ〜！！！｣
少し遠くから聞こえてくる声。そうただ。
｢おはよそうた｣
｢Aおはよぉ、わくもおはよ〜｣
｢お前寝癖すげえぞ｣
｢えぇ、うそぉ？Aやって！｣
｢じゃあそうたちょっと屈んで｣
｢んー、こう？｣
｢そうそう、ちょっと待ってね。｣
そうたの寝癖と悪戦苦闘すること約1分。
なにこれ、ぜんっぜん治んない。(笑)
｢いや全然直ってねえじゃん(笑)｣
すかさずわくにつっこまれる。
｢これ手強い。水で濡らさなきゃ無理かも｣
｢まあ颯太はイケメンだしいいだろ！｣
｢わくありがとぉ！｣
そうたがいるとすごい雰囲気が優しくなる。
それがとても心地よかった。
｢ねぇおれらおなじクラスかな？｣
｢同じクラスだといいね〜｣
｢なんだかんだ言って中学のときも同じだったし同じなんじゃね？｣
｢おれ2人と離れたらやっていけない、｣
｢大丈夫だって颯太〜(笑)｣
｢そうたならすぐ友達できるよ｣
｢離れてもずっと一緒だからね！授業中も！｣
｢んー、それは無理じゃね？(笑)｣
なんてくだらない会話をしながら新しい通学路を歩く。
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作者名：r | 作成日時：2023年3月24日 2時
