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「よし、まずは学園につながる鏡のところへ……」
グリムが一歩、踏み出す。
すると、ピーーー！と笛の音が聞こえた。
「！？にゃ、にゃんだぁ！？この音は！？」
ドタドタドタと、騒がしい足音がした。
寮生の何人かが、私たちのところへ集まった。
「お前たち！勝手に寮外へ出ようとするとは何事だ！」
「この冬休みの間は、誰であろうと寮長の許可なしに寮を出ることは許されない！」
一目散に逃げる私たちに、寮生たちは追いかけてくる寮生。
「ひっとらえろ!」
「追え追え!待てーーー!」
「な、なにぃ〜〜〜〜！？」
まるで違反行為をしたとでも言うように、ピー！と笛のような音が鳴る。
私はあまり運動が好きではない方だ。
いや、むしろ嫌いまでいくかもしれないと言うほど、運動が苦手だった。
運動は、男と女の差がつく。
だから、女の私はあっさりと寮生に捕まってしまった。
「っ、Aさん！」
私を気にしたユウくんも捕まり、ついにはグリムも捕まった。
私が体力がないせいで捕まった。
とても不甲斐なくて、申し訳なくなった。
「大人しくお縄につけ、灰色のドブネズミめ！」
「オレ様は灰色だけど、ドブネズミじゃねぇ！離せ〜〜！」
寮生がグリムのことを“ドブネズミ”と言った。
それに関して、私は
クリクリのお目目、真ん丸としたボディと言い、可愛らしい耳と尻尾を見てみろ！どう見ても可愛らしいねこちゃんだろうが！と心の中で怒った。
「ええい、暴れるな！早く部屋に戻るんだ！」
「さっさと部屋に入れ！手こずらせやがって」
「いででで！首根っこを掴んで引きずるんじゃねぇんだゾ！」
乱暴に私らを部屋に入れた寮生たちは、ドアに鍵を閉めた。
“次に逃げ出そうとしたら、タダじゃおかない”という言葉を残して。
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作者名：金平糖
| 作者ホームページ：(ヾﾉ･ω･`)ﾅｲﾅｲ
作成日時：2022年4月10日 15時
