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大野「これ、すげえいい」
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大野さんがさしたその写真は、二宮さんご「一緒にととったから並べたい」って話してた、連作のように同じ場所を時間を変えて撮られた写真だった。
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大野「睡蓮みたい」
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「んふふ」って笑うと、「これみてると、この写真とこの写真の間、絶対想像しちゃう。面白いね」って言って誉めた。
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大野「普通、こっから１枚えらんじゃうよね。並ばせるとこが、ニノだなあ」
二宮「……テキトーだよ、テキトー」
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ベタ誉めの大野さんに、二宮さんはそっけなくそう答えたけれど……わたしたちは、知っている。
実は二宮さんが緻密に。
考えて考えて、考え抜いてこの配置や構成になったことを。
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相葉「素直じゃないんだから(笑)」
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相葉さんがそういって笑うと、二宮さんは「そこ、うるさいよ！」と耳の縁を赤くして怒って。
わたしが先に注文を受けた大野さんのコーヒーをもっていくと、大野さんの前に出したのに、二宮さんはわざとソーサーを指先で自分の方へと引き寄せたのだった、
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大野「あっ、それ俺のなのに！」
二宮「奇遇ですねー、ワタシもコーヒー頼んだんです」
大野「もう〜、しょーがねぇな……」
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大野さんの笑顔は優しく、いたずらっ子みたいな二宮さんを優しく許すと、また、写真にみいった。
そして。
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大野「やっぱり、いいなあ……。 なあ、やっばりニノ、撮ってみない？」
二宮「撮ってるよ」
大野「写真じゃなくて。映像だよ。一瞬を切り取った写真もすげえいんだけど、これみてたら俺やっぱ、ニノが切り取った時間がみたいな」
二宮「……。」
大野「絶対イイと思うんだよなー」
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二宮さんはカップから唇を離すと「面倒くさいからやだ」と、こどもみたいなことを言って、笑って大野さんの誘いをかわす。
そんな、二宮さんを、じっとみていた大野さんが、一転。
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大野「…………ねえ」
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よく通る、きれいな声で。
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大野「青って…………、あの人のこと？」
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艶のある声で、そう尋ねた。
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大野「あの人の紡いだ青が、こんな青だった」
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そう尋ねる大野さんに、二宮さんは一瞬驚いた顔をしたけれど。
ニィっと笑うと。
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二宮「ばーか(笑)」
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そう、笑いとばすと、「青は、アンタの色だよ」と。
ひどく甘い声で、そう答えたのだった。
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作者名：12（とうふ）
作成日時：2015年4月1日 23時
