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三年間過ごしてきた高校の卒業式
友達と写真を撮ったり、ふざけて笑ったり
友人との別れを惜しみ泣いていたり
本当に濃い三年間だった
たくさん笑って、泣いて
最高の友人達にも恵まれた環境で
素敵な思い出を作ることが出来た
でも、まだ俺には
一つやり遂げれていないことがある
「玉、行っておいで」
誰が行ったのかも分からない
けど、その背中を押してくれた手は
俺に勇気をくれた
「藤ヶ谷先生っ、!」
足を止めて振り返る
周りには誰も居ない、二人きり
「玉森、卒業おめでとう」
目を見て、優しく微笑んでくれる
皆にはあまり見せない、俺が一番好きな顔
―その顔は俺にだけ見せて欲しい
「先生のことが好きです」
空気が俺をそうさせたのか
何か話をしてからでも良かったんじゃないか
でも、今しかなかった
そして、俺の恋は
「ごめん、生徒をそういう風には見れない」
呆気なく散っていった
そこからどう家に帰ったかも覚えてない
告白した後、どうなった?
気持ち悪がられてたらどうしよう、?
自己嫌悪に囚われ、
ただひたすら無心に泣き続けた
家に駆け付けてくれた友人達は何も聞かず
ただそっと抱き締めてくれた
けれど、その温かさが
背中を押してくれた友人達に申し訳なく
あの人のじゃないんだと気付かされ
ただ辛かった
そしてそれから数日後
藤ヶ谷先生は県外に異動され
俺も自分の希望する大学に合格し
地元を離れた
今からのお話は
あの日から約一年経った頃のお話
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作者名:ごんたぬき | 作成日時:2020年2月9日 2時