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罪を抱えた貴公子-28- ページ35

驚いた顔を見せる可愛い兎ちゃんたち。



「な、なんれらよ」



焦ったに〜ちゃんが舌ったらずになりながら、聞いてきた。焦りすぎて言ってんのかわかんないよ。



「教えられることは全部教えたよ
それに、僕にだってユニット活動があるから」



構ってる暇なんてないんだよ
わざと嫌われるような言葉を吐き出す。



「……そっか、悪かったな」



に〜ちゃんは僕にそれだけ言った。……なんだよ、それ。もっとキツい言葉で問い詰められるのかと思った。



物分かりがいいフリして、皆に媚を売っているように見えるに〜ちゃんの姿が変に鼻について心がざわついている。



「すずな」



やっぱり、兄貴は大嫌いだ………



翔くんが僕を呼ぶ声が耳に入り、僕は声のする方へとそっと目を向けた。



「ほら、貴重なリハーサル終わっちゃうよ
それに、




うちの後輩、久々のドリフェスで気が立ってるからやめてもらえるかな?」



正義の味方(ヒーロー)みたいだ。一年前のあの日、手を差し伸べてくれた太陽みたいに輝く彼が翔くんの後ろに見えた。




地面で(うずくま)る自分があの日の僕にそっくりで、巻き込むように手を引っ張って立ち上がる。




「ごめん、ありがと」



「こうやって後輩のために動くのも悪くないかなって思ってさ


だから、すずなが気にする必要はないよ
俺の自己満足だから」

人形兎-29-→←罪を抱えた貴公子-27-



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作者名:雪桜 | 作成日時:2016年9月25日 12時

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