04-こんなに必死になって ページ10
.
ピピ__
僕のアラームが鳴った。
ワンコールで消す。
起き上がらない体で寝返りを打った時、すぐ触れそうな距離にAが眠っていた。
あれ、天使がいた。
「あー…まだ違うんだった」
可愛いなあ。
童顔のくせに、一丁前に大人だし。
看護師のくせに最強の僕より強いし。(色んな意味で)
今だって息がかかるくらい近くにいるっていうのに、僕は君の許しがないと触れられないんだから困ったもんだよ。
昨日寝る前に、Aは明日休みだと言ってた。
折角の休みなんだからいっぱい寝かせてやろうっと。
僕だって休みは夕方まで寝てたいし。
「_五条くん……おはよ」
「あれぇ? 休みなのに起きてきちゃったの。おはよ」
「起きたら…五条くん居なかったから…もう行っちゃったかと」
「むぐ」
危うくコーヒーを吹き出しそうになった。
勢いよく飲み込んだせいで喉元が熱い。
いつも可愛いけど寝起きはとことん可愛いが爆発している。これは僕も勝てない。
「僕が仕事だから起きてきたの?」
「うん……」
「可愛い」
「ん…」
否定しないあたり自分の可愛さを自覚してるから尚更罪深い。
今すぐ抱きしめたい。普通の恋人ならここで遠慮なく抱きしめられるのに。
立ち上がった僕をとろんとした目で見上げて、彼女は「もう行くの?」と首を傾げた。
行きたくねーー。
いっそ連れて行きたい。そうだ、ナース服着て隣に居て欲しい。
「うん。行って来るねー」
「行ってらっしゃい」
変態極まりない発言は控えて僕はAの頭に手を乗せて優しく髪を撫でてみせる。
勝手に触れた事を怒られるかと思ったが、存外嬉しそうに微笑むものだから乗せた右手が一瞬困惑気味に宙を泳いだ。
今日は帰ったらAが出迎えてくれる。
まるで同棲してるみたいじゃね?
本当に同棲してたらなーー。
………あーやば。今の彼氏にムカついてきたわ。
「私は貴方という人が未だにわかりません」
「んぁ?」
「昨日はあんなに上機嫌だったのに、今日は呪いでも祓ってきたんですか」
「いつもと変わんないよー」
そうは言ったものの不機嫌になるのも許して欲しい。
だって折角Aが休みで家で暇してるのに、僕は出勤で働かなきゃいけないなんて。どうかしてる。
_不意に震えた携帯。
そこにはAの名前が表示されている。
『お昼、学校出れる?』と。
.
670人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花帆 - 両者の視点で本心が読めるのも面白いです♪続き楽しみにしています! (2022年9月28日 2時) (レス) @page28 id: 8832d32b96 (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - yukinoさん» yukino様、作者の様々な作品に目を通して頂き大変うれしい限りです。yukino様から頂いたコメント、全て拝見しております。いつも励みになるコメント、ありがとうございます! これからもどうぞご支援頂けると幸いです。 (2022年1月20日 5時) (レス) id: bb8d3426f9 (このIDを非表示/違反報告)
yukino(プロフ) - 私呪術廻戦では五条悟が一番好きなんですよ!(知るか) 読んでて,とても面白いです!!!続き気になります!頑張って下さい!! (2022年1月17日 20時) (レス) @page18 id: b465ac1425 (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - 董香さん» 董香様、コメントありがとうございます!嬉しいお言葉、励みになります!(^^)これからも頑張れます! (2021年5月31日 16時) (レス) id: bb8d3426f9 (このIDを非表示/違反報告)
董香(プロフ) - はじめまして!こんにちは! 読んでてすごくおもしろいです!!!これからも楽しみにしてます (^^) (2021年5月30日 13時) (レス) id: cdc6ebec75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おそらまめ | 作成日時:2021年5月29日 15時