あなたになら……【izw】 (ページ3)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:4,755 hit

# ページ3

乃々華side

ｶﾞﾁｬ

「ただいまー。」

ﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀ

「乃々華ちゃん！大丈夫？タオルはい！お風呂入れてあるから！」

「大丈夫だよ？伊沢さん。お風呂入ってくるね。」

「分かった。とりあえずカバン頂戴。乾かしておくから。」

「うん。」

ﾁｬﾎﾟﾝ

なんであんなに優しいんだろう。

お風呂の中で1人考える。

私はダメな子なのに。いらない子なのに。

今でも覚えてる。
小学生の時いじめられて学校を休んだ日。
先生が家に来てお母さんと話してた。

「先生。あの子は大丈夫ですか？」

「いつもひとりで寂しそうですね。」

「ほんとにうちの子はダメな子でお姉ちゃんたちと全然ちがくて。」

～要らない子なんですよね～

脳裏に浮かんできた。

1番思い出したくない記憶。

言われたくなかったことを1番信じてた人に言われた。

小学生の私には充分過ぎるほどの出来事だった。

そのあとはずっと泣いてた。

悲しくて悔しくで。でも何も出来なくて。無力で。

ただ泣いていた。

もしも、今伊沢さん裏切られたら。私はきっと立ち直れない。

二度と人を信頼できない。

恐怖からまた泣いた。