私を変えてくれたのは5人の先生。RESTART19 (ページ10)

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Aside

今日の先生はいじわるだ。

退院が良いことだって私も分かってる。

でも…心が受け付けないの。

翔「家族3人で新しいスタートを切るんでしょ？」

A「だって…、そこには先生たちいないもん…」

私の傍にはずっと先生たちがいた訳で。

家族よりも長い時間を過ごしてきた。

そして、何よりも心から信頼してるから。

翔「じゃあ…何で俺らがいいの？」

A「信頼してる、から。先生たちなら何も怖くないから…」

翔先生は嬉しそうに笑って私の頭を撫でる。

翔「信頼してる人が信頼してる人は怖い？」

A「だって知らないもん。」

翔「それはあなたが知ろうとしないからでしょ。」

先生はパソコンをいじって、とあるホームページを見せてきた。

翔「これが新しい病院のホームページ。何も怖くないよ。」

画面にはでかでかとこの前見に行った建物が映っている。

翔「規模としては昔のここみたいなもんかな。入院病床は無いし、本当に通院専門ってイメージ。」

それでも不安なものは不安でしかなくて。

私の心はどんどん限界に近づいていく。

翔「A？俺らだってAのそばにいたいよ。でも…、それはどんなに願っても叶わないんだ。…分かって。」

翔先生の落ち着いた優しい声は私を地獄の底に突き落とすかのようだった。