私を変えてくれたのは5人の先生。RESTART19 (ページ27)

今日:23 hit、昨日:1 hit、合計:57,124 hit

＃９５２ページ27

翔side

時刻は5時を回ったところ。

Aは俺にもたれかかったまま寝てしまった。

起こすのも可哀想だから俺はソファーから動くことが出来ない。

和「体勢大丈夫？」

翔「これくらい大丈夫だよ。動いて起きたら可哀想だし。」

寝顔だけは昔から変わらないんだよな。

こうやって客観的に見ると本当に普通の女の子にしか見えない。

でもAの人生はきっと誰もが波瀾万丈だと言うほど過酷なもの。

よくここまで頑張って乗り越えてきたね。

Aは本当に強いと思う。

何度も道を間違えそうになったけど、ちゃんと真っ直ぐ自分の足で歩めている。

和「翔さんて、本当にAのこと溺愛してるよね。」

翔「そりゃあ…ね(笑)こんなに長い間診てる患者もなかなかいないからさ。」

あの日、Aがこの場所に来てくれたから。

そこから俺らとAの長い長い旅が始まったんだ。

翔「俺も最後まで診てやりたかったな…」

和「そうだね…」

Aと俺らの想いは同じなのかもしれない。

それを受け止める勇気があるかどうかの違いでしかないと思う。

その勇気は人生経験の長さによって培われたものだからAは決して弱いわけじゃない。

むしろ、誰よりも強いと思うよ。