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＃６５４ ページ29
Aside
パジャマに着替える…前に引き出しから1本のカッターナイフを取り出す。
桃のことを聞いてからなんだか心がざわついていた。
衝撃もあったけど、そういうことじゃなくて…また罪を被らなきゃいけないっていう重い重い枷。
解放されたくて、これで最後にするからっていつも通りに左手首を切り裂く。
痛みが愛おしくてしばらく赤い液体を眺めていた。
きっと最後には出来ないんだろうな…
だってこんなに……
和「何してんの？」
A「ひゃっ！」
和「なーにそんな怯えてるの？…ほら、それちょうだい？」
偽物の笑顔で和先生が近づいてくる。
いつからいたんだか…
和「ん、それ渡して。」
A「…やだ」
震える手でカッターを握りしめたまま私は和先生に背を向けた。
和「やだじゃないでしょ？それは病棟内持ち込み禁止。」
そんなのここに何年も入院してるんだから分かってる。
まあ懲りずに外出の度に買ってくる私も私だけどさ…
でも…今日はそれを手放すことが出来なかった。
久しぶりにここに、手首に感じた痛みが心地よかったから…
和「渡してくれないなら無理矢理にでもやらなきゃいけないの。ね？」
私は首を振った。
きっとこれが和先生が優しかった最後のチャンスだったのに…
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ルルモ(プロフ) - 移行おめでとうございます！こっそり楽しく読ませていただいております。 (2019年4月15日 19時) (
レス) id: f5d7b6f301 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼紗仁真 | 作成日時：2019年4月13日 15時
