【改】私を変えてくれたのは5人の先生。RESTART３ (ページ9)

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＃１３５ページ9

翔side

やっと１日が終わった。

今日は珍しく定時であがれる予定だったけどそのままAの病室に直行。

A「翔、先生…」

私服姿の俺を見て少し驚いたような表情をしたけどすぐに微笑んで俺の名前をまた呼んだ。

翔「どうせ寝れないだろうと思って来た。」

A「うん…全然寝れない……波の感覚がまだ足に残ったままで気持ち悪くて…」

それもそうだ。

だってまだ昨日のこと。

翔「…今日由人さんが来たんだ。最近話せてなかったんだってね。だから誰のせいでもないよ。環境がそうさせてしまった、ただそれだけの事だから。気にするな。」

俺はAの抑制帯をそっと外した。

翔「それでも気にしちゃうのがAだけどね。でも頭の隅っこに追いやっていいよ。」

A「ずっとね、考えてたの…これじゃあ私がお母さんにされてたことと同じだって…なんで辛いことを娘にやってるんだろうって…最低だよ…」

大野さんの言ってた『負の連鎖』だ。

これは仕方のないことなのかもしれない。

こんなこと言うの無責任かもしれないけど愛し方を間違ってしまっただけだと思う。

翔「まだまだ時間はあるよ。これからでしょ？桃ちゃんも小学生になって大きくなっていつかは綺麗な花嫁さんになるかもしれない。その成長を見届けないと。ね？」

A「私…桃の母親でいても、いいのかな…？」

俺はAの自由になった手をぎゅっと握った。

翔「桃ちゃんの母親はこの世にAしかいないんだよ。」