34話「唐揚げにはマヨネーズ」 ページ35
「えっと……つまり、私が鱗滝さんの事を好きになって今日剣道部に顔を出した、と。それで警戒していた、と」
「…違うの?」
「まっっっっったく違いますね」
どうやら鱗滝さんを狙ったどこぞの雌豚が潜り込んできたと誤解し警戒していたんだそう。真菰先輩の口から雌豚って聞いた時はちょっとグッときたよね。あ、ごめんなさい。
「ないですよ。全然、まっったく過去現在未来永劫ないです。むしろちょっと怖い人かな…って思ってたので」
「そこまで否定されるとちょっと複雑だけど…。そっか、ならいいの。ごめんね、私の勘違いで…」
「いえ、誤解が解けて何よりです。わたしはてっきり…錆兎先輩の方かと」
「俺?」
「錆兎ォ?あはは、ないない。絶対ない。ただの腐れ縁だもん。おねしょしたシーツ隠そうとして、結局見つかって怒られて泣くような男は恋愛対象外でーす」
「ち、小さい頃の話だろ!!」
「え。なにそれ聞きたいです」
「ふふ、聞きたい?錆兎ってばね〜」
「おいやめろマジで勘弁してくれ。ほら、バス!バス来たぞ!!ナイスタイミングだな!!」
「ちっ」
錆兎先輩の昔話聞きたかったから惜しいけど、ただでさえいつもより帰るのが遅いし、これを逃せばあと1時間待たなければならない。くっ……せっかく先輩の弱みを握れるチャンスが……
しぶしぶバスに乗り込む。発車する直前、空いていた窓から放り込まれた紙切れ。拾って見ると、LINEアドレスと電話番号が書かれていた。
バッと窓の外を見ると、してやったりと満足そうにピースする真菰先輩と、頭を抱える錆兎先輩。この2人の上下関係が垣間見えた瞬間だった。
お礼を言おうとしたが無常にも走り出したバス。見えなくなるで手を振ったあと、連絡先を追加し、お礼とよろしくお願いしますと送った。
真菰先輩のトプ画は狐の面。鱗滝さんとなんらかの関係があるとみて間違いないだろうな。
真菰先輩。ちょっとこわい人かなと思っていたけれど、めちゃくちゃいい人だ。話しやすいし、キャラがいい。仲良くなれて良かったな。
しばらくやり取りをしていると、眠気が襲ってきて家に着くまでのバスの中でわたしはいつの間にか眠りこんでしまい、バス停を3つ程乗り過ごしあわてて家に帰ったのだった。
ちなみに、願いが通じたのか偶然なのか、夜ご飯は唐揚げだった。マミー、恐るべし。
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雲雀浬 - あっ!言い忘れてた、剣道部でーす!続き楽しみにしてるよ!頑張ってね! (2020年5月15日 2時) (レス) id: 1a3e36626c (このIDを非表示/違反報告)
雲雀浬 - はじめまして!雲雀浬です!すっごく面白いです!伊之介可愛い!!!!むふふ♪あっ!あと、冨岡さんは、ウ冠ではなく、ワ冠ですよ!続き、頑張ってください!! (2020年5月15日 0時) (レス) id: 1a3e36626c (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - すれぃさん» 山本氏書きやすくて…ついつい多めに出しちゃってますね……笑 優しくていい子なのでそれもありですね!おっと誰か来たようです(茶番やめな) (2020年5月14日 17時) (レス) id: 138242db57 (このIDを非表示/違反報告)
すれぃ - もうなんだか山本くん落ちでも良い気がしてきました(あかん) (2020年5月13日 22時) (レス) id: a4dc3297d8 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - メイアPさん» 嬉しいコメントありがとうございます!そうですね…自粛が続き、ストレス溜まりやすかったりしますもんね…そんな中で少しでも楽しんで頂けたなら本望です…!更新頑張りますね!!!! (2020年5月9日 11時) (レス) id: 138242db57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなた | 作成日時:2020年3月28日 12時