35話「いちご柄」 ページ36
次の日。
昨日と同じように朝は車で送ってもらい、学校到着。帰りも迎えに行こうか?と詰め寄ってくるぱぴーを何とか説得し、車から降りる。どうやら昨日帰りが遅かったことで相当心配しているらしい。剣道部に見学に行ったってちゃんと説明したのになぁ。
それに私の下校時間まだ会社でしょ、と言うとAの為ならどうとでもなるさと笑顔で言われた。大人って怖い。
靴を履き替え教室へ向かう途中に見つけたあの背中。あの独特のくせっ毛。間違いねぇ。
「山本くんおはよう昨日はよくも置いて帰ってくれたね錆兎先輩にいつ締められるかとビクビクしてたんだからなカレーパンで手を打とう」
「ぅわ゛!!あ、青柳…おはよう…」
急に声をかけたからかめちゃ驚かれた。すると、山本くんの隣にいた男子の口から「え…まじか。」と声が漏れた。連れいたんか。気づかなかったよ。てかまじかってなんだ。
「ごめん山本さっきまで疑ってたわ」
「だから言ったろ…!つーかタイミング…」
「ごめん全然話が見えないんだけど」
「あー…えっと、実は青柳の話しててさ。そのタイミングで現れたからびびった…つか、」
「なに悪口?喧嘩か?やんのか?」
「ちげーって!」
どうやら昨日の剣道部のことを話していたらしい。私が見学に来たこと、そして普通に話せたこと。なんだ普通に話せたことって。え、私もしや会話もろくにできない奴だと思われてた訳?
「失礼すぎるとは思わないかねぇ斉藤くん」
「え、あたり!俺の名前覚えてくれてんの!?」
「斉藤くんはインパクト強かったからね。自己紹介で前にでた時、社会の窓あいてたし」
「!?」
「あっ…青柳…それは…」
ぶばばっと顔を赤く染める斉藤くん。あれ、この反応もしかして……し、知らなかった…のか…?
「いや青柳さん冗談きついって、なぁ?………え?」
「すまん友よ」
「え…………うそだろ」
「……………なんかごめん」
顔を隠して座り込む斉藤くん。てっきり知ってるもんだと思ってたなんで教えてやらねぇんだよ山本コノヤロウ友達だろ。ごめんな、可愛らしいイチゴ柄が見えてたのはもう墓場まで持って持っていくから。多分本人以外クラスの人全員気づいてたけど。
「てか話戻るけど、私が普通に話せるってなに?私をなんだと思ってたわけ?」
「めっちゃ話題変えてきたな」
話しながら教室へ向かう。少し後ろでパンツ…見られてた…あの日おれどんな柄履いてた…?とボソボソ聞こえる。いちごだよ。
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雲雀浬 - あっ!言い忘れてた、剣道部でーす!続き楽しみにしてるよ!頑張ってね! (2020年5月15日 2時) (レス) id: 1a3e36626c (このIDを非表示/違反報告)
雲雀浬 - はじめまして!雲雀浬です!すっごく面白いです!伊之介可愛い!!!!むふふ♪あっ!あと、冨岡さんは、ウ冠ではなく、ワ冠ですよ!続き、頑張ってください!! (2020年5月15日 0時) (レス) id: 1a3e36626c (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - すれぃさん» 山本氏書きやすくて…ついつい多めに出しちゃってますね……笑 優しくていい子なのでそれもありですね!おっと誰か来たようです(茶番やめな) (2020年5月14日 17時) (レス) id: 138242db57 (このIDを非表示/違反報告)
すれぃ - もうなんだか山本くん落ちでも良い気がしてきました(あかん) (2020年5月13日 22時) (レス) id: a4dc3297d8 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - メイアPさん» 嬉しいコメントありがとうございます!そうですね…自粛が続き、ストレス溜まりやすかったりしますもんね…そんな中で少しでも楽しんで頂けたなら本望です…!更新頑張りますね!!!! (2020年5月9日 11時) (レス) id: 138242db57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなた | 作成日時:2020年3月28日 12時