同級生はどうやら頭がおかしいらしい。【鬼滅の刃】

30話「日本でいちばん多い苗字」 ページ31

「…青柳？何してんだこんなところで」

「あぁ、しぇんぱい…！」

声を聞きつけたのか、中から錆兎先輩が出てきてくれた。どうしよう先輩！これは不審者発見かもです！もしかして噂に聞いたり聞かなかったりする下着ドロボーだったりするのでは！！先輩とて、例外じゃないんですよ！今やどんな性癖を持ってる人がいてもおかしくない世の中ですからね！！！先輩はオイラが守りますよ！！！！！！


「あ、鱗滝さん！お疲れ様です」

「さぁ早くみんなを連れて……って、あれ。お、お知り合い……？」

「ああ。鱗滝左近次さん。普段はこの学校の事務員をされていて、剣道部のコーチをお願いしているんだ。顧問は別にいるんだが…何せ剣道初心者でね」

「改めて、鱗滝左近次だ。よろしくな。お嬢さん」

「あ、どうも。えっと、青柳Aです」

「青柳……ああ、君が例の青柳さんか」

「え」

「アッ、鱗滝さん！実はちょっと相談したいことがあって！！早く中へどうぞ！」

何か言いかけた鱗滝さんを中へグイグイ押す錆兎先輩。また例の噂か。遠足で怪我して運ばれたアホな1年ってやつか！事務員さんにまで広がってるとか…思ってたより自体は大事のようだ。勘弁してくれ。


どうしよう。これ入っていいのかな。練習中だった部員さん達は手を止め、こちらを伺いながら何か話している。また噂かい。例のあの子らしいよってか？そうだよ例のあの子だよ。もうなんとでも言いな。


すると、1人の部員さんがつかつかとこちらへ歩いて来た。手にはどこから持ってきたのかパイプ椅子。
…………え、殴られる？？

構えると、ハハッ殴たりしないよ、と笑われた。あれ、確かこの人…


「同じクラス…だよね。名前…は、……佐藤くん！」

「残念、山本です」

とりあえず日本で1番多い苗字言ったけど…外したか。


「ご、ごめん。私人の名前覚えるの苦手で…」

「へーき。それより、はい。これ座って」

「ありがとう」

優しいな山本くん！！よし覚えたぞ！！剣道部の優しい人、山本くん！よし。


「青柳さん、もしかして入部希望？」

「あ、いや、錆兎先輩に部活見に来てくれって言われて。軽く顔だそうかなって」

「へぇ、あの錆兎先輩が……」

「えっと、山本くんは剣道部なんだよね。偉いね、もう部活決めて練習してるなんて」

「おれ、ここの剣道部に憧れてこの学校受けたんだ。錆兎先輩みたくなりたくて」

「錆兎先輩強いんだ」

「え、知らねぇの！？全国大会五本の指に入るんだぞ！！」

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