同級生はどうやら頭がおかしいらしい。【鬼滅の刃】

28話「再会」 ページ29

外で楽しそうにテニスをするクラスの女子たち。青空の下、笑顔でラケットを振るうその姿はまるで絵に書いたような青春の1ページ。しかし、その中に私の姿はない。


「せっかくの体育なのに…見学とかありえない…」


ちょっとだけなら大丈夫だろう、という私の甘い考えを全否定したクラスの女子たち。その足でラケット持って掛け回ろうなんて何考えてるの？と詰め寄られ、返す言葉もなく見学中というわけだ。グリグリと石で絵を描く。


「1番好きな授業なのに…お預けは酷い泣いちゃう」

「酷いのはお前の足元の絵だな」


思わぬ返答に驚きつつも声のした方を見ると、大きな画材を持った錆兎先輩だった。


「錆兎先輩！お久しぶりです！あっれもしかしてサボりですかぁ？いけないんだァ先生に言ってやろ」

「残念ながら美術の授業だ。天気からいいから外で描くことになったんだよ。ド派手に描いてこい！ってな」

「あー……なんだつまんないの」

「お前こそ何してんだよサボりか？」

「なわけ。これのせいでお預けくらってるんです」

「その足……あ、もしかして昨日の山登りで遭難して病院に担ぎ込まれた1年ってお前か！！噂になってるぞ、よかったな！」



ははは！！！！！と笑いとばされた。う、噂だと！！！！どうせ遠足で怪我したアホの1年ぴっぴろぴ〜〜みたいな噂だろどうせ(白目)


「ま、その分だと怪我も大したことなさそうだな。良かったよ」そう言って隣に座る錆兎先輩。そして、じっと見られる。な、なんだよ。


「へぇ、体操服も似合うな。中々クるもんがある」

「先輩って変態なんですか？」

「褒めてやってんじゃねぇか。…よし、青柳そこに腰かけろ」

「は？」

「いいから。そこ。で、視線はちょっと俯きがち」

「あのー、これって一体」

「モデルだよ。絵のモデル。なに描こうか迷ってたんだよ。ちょうど良かった」

「えーいやですよ。モデルって言うほどの外見してないですし。それに体操着の女子描くってなんか…」

「俺のクラスのやつらも描いてるけど。ほらアレ」

「…あぁぁぁ！！！！！！！！」


見ると、テニスをしているクラスのメイトを遠目から見ている男子生徒が数人。絶対いかがわしい目で見てんだろ！！！(失礼)なんてことしてるんだうちの可愛い女子たちだぞ！！！！一言文句言ってや…


「こないだ職員室案内してやったろ。それに一向に剣道部にも顔出さねぇし。黙ってじっとしとけ。悪いようにはしねぇよ」

「………ハイ」

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