23話「訪問者」 ページ24
「あーもしもし。Aちゃんのことはお気遣いなく。じゃ、」
はい、と返されるスマホ。あ、どうも。いやどうもじゃないわ、勝手に切っちゃったよこの子!
「ごめん。でも話長引いたらお風呂のお湯冷めちゃうと思って」
「…ま、いいよ。話もだいたい終わってたし。お風呂入ってくるね」
なんかいつものむいたんらしくないなぁ、と思いながら部屋着の準備をする。竈門くんにはLINEで謝っておこう。
とりあえずは頭の包帯を外し、傷と右足に気を使いながらお風呂に入った。お湯がかからないように…結構神経使うなこれ。いででで。
なんとか洗い終え、鼻歌混じりで髪を拭きながら浴室をでると、なにやらまた揉めている声が聞こえる。なんだなんだ、今日はよく揉めるな。玄関の方か?
「どったの、て、あれ、竈門くん?」
「あ、青柳さ……!!!」
なにやら私の姿を見るなり口元を手で隠してしまった。顔が赤い。
「ちょっと、なに。何想像してんのこの変態」
サッと私の前で手をを広げるむいたん。あー風呂上がりだからか。私なんかの風呂がりで顔赤くするなんて相当ウブなんだね竈門くん。絶滅危惧種並だよ。
「まぁ、Aの同級生?」と部屋から出てきたママン。おっとこの流れは。むいたんも勘づいて、竈門くんをどうにか家から追い出そうとしている。
「はい!夜分遅くに申し訳ありません。青柳さんのクラスメイトの竈門炭治郎といいます!」
「まぁまぁ、礼儀正しい子ねぇ。Aの母です。そうだ、ねぇ炭治郎ちゃん。お夕飯まだだったら一緒にどうかしら?」
きた〜〜〜そう来ると思いました〜〜〜。うちのママン、食べさせたがり屋というか、人の食べてる姿が好きというちょっと変わった性癖(言い方)の持ち主なんです。
「わぁ、いいんですか?ぜひ!」
キラッキラの笑顔を見せる竈門くん。
こうして、なんとも謎なメンツで食卓を囲むこととなった。嬉しそうにキッチンへ戻るママンを説得しようと追いかけるむいたん。こうなれば手遅れだよ。
「そういえば、竈門くんなんでうちに?てかよく場所わかったね」
「ああ、うん。場所は何となく、かな。ほら、俺鼻がいいし。それで今日も青柳さんのこと見つけられたんだ」
いやこの街結構広いぜ??もっと言うとわたし住んでるの君の隣の県なんですが??口を開こうとした瞬間。
ふにっ。
竈門くんの人差し指が私の唇に触れた。
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雲雀浬 - あっ!言い忘れてた、剣道部でーす!続き楽しみにしてるよ!頑張ってね! (2020年5月15日 2時) (レス) id: 1a3e36626c (このIDを非表示/違反報告)
雲雀浬 - はじめまして!雲雀浬です!すっごく面白いです!伊之介可愛い!!!!むふふ♪あっ!あと、冨岡さんは、ウ冠ではなく、ワ冠ですよ!続き、頑張ってください!! (2020年5月15日 0時) (レス) id: 1a3e36626c (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - すれぃさん» 山本氏書きやすくて…ついつい多めに出しちゃってますね……笑 優しくていい子なのでそれもありですね!おっと誰か来たようです(茶番やめな) (2020年5月14日 17時) (レス) id: 138242db57 (このIDを非表示/違反報告)
すれぃ - もうなんだか山本くん落ちでも良い気がしてきました(あかん) (2020年5月13日 22時) (レス) id: a4dc3297d8 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - メイアPさん» 嬉しいコメントありがとうございます!そうですね…自粛が続き、ストレス溜まりやすかったりしますもんね…そんな中で少しでも楽しんで頂けたなら本望です…!更新頑張りますね!!!! (2020年5月9日 11時) (レス) id: 138242db57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなた | 作成日時:2020年3月28日 12時