7話「水の呼吸って夏に便利そうだね」 ページ7
それからおばあちゃんは色々と話してくれた。この世界のこと、鬼のこと、鬼殺隊のこと。知識としては頭に入っていたことだけれど、改めて鬼滅の刃の世界に来たのだなと感じた。そして現在は育手として、やまとちゃんを鍛えているらしい。
ちなみに、おばあちゃんが教えているのは原作でもお馴染みの水の呼吸だ。初心者にも優しく、1番多くの剣士の間で使われているみたい。肺活量が多く、常にでは無いが全集中が使える。調子がいい時は第三者にも水が見えるらしい。炭治郎達ほどではないけれど、やまともれっきとした水の呼吸の使い手、という訳だ。
それからは毎日のようにやまとちゃんの訓練に付き合った。一応、おばあちゃんから見守ってあげてねと頼まれたしね。
「A!どこ行くの?私も行く!!」
「お味噌が切れてたからちょっとそこまで買いに行くだけだよ」
「私も行く!!!」
「A、今日も一緒の布団で寝てもいい?」
「A!!一緒にお風呂入ろ!!」
「Aどこ行くの?」
「トイレ、じゃ通じないか…厠だよ」
「私も行く!!!」
「行かんでええ行かんでええ」
結果、凄く懐かれた。かわええ。こんなん可愛いやん。いやさすがにトイレは遠慮したけどな。
亡くなったとはいえ、弟さんはいたけれど年上に甘えることを知らなかったやまとちゃん。きっとお姉ちゃんができたみたいで嬉しいのね、とおばあちゃんも楽しそうに笑っていた。
_______
近くの山を駆け回り、言われた課題をこなし、ひたすら鍛える。そして美味しい食事に暖かい布団。自然と隣近所に住む人達との交流も増え、時間は驚くほどあっという間に流れていった。
「うーん、太刀筋はもう私じゃ相手にならないくらいのレベルだし、どこに出しても恥ずかしくないっておばあちゃんからお墨付きもらったけど…」
「どうしても上手くいかないんだよね。呼吸」
やまとと同じように過ごすうち、めきめきと上達した太刀筋とは裏腹に、私は呼吸が使えないでいた。いや、使えないというか、持続出来ないのだ。
心拍数を上げ、一度に大量の酸素を肺に送り込み血液の巡りを良くすることで、一時的に身体能力を極限まで向上させることができる呼吸法、全集中も満足に出来ず、当然水の呼吸も使えない。
「住む世界が違うってことなのかな…」
ついついここで過ごす毎日が楽しく馴染みすぎて忘れそうになるが、私はトリップした身。適応できなくてもおかしくは無いけど。ちょっと悔しい。
8話「最低限でいいんで。」→←6話「出ました!トリップ名物!」
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鎖夏(プロフ) - 楽しく拝見させて頂いてます。私、錆兎が大大大好きなので、この作品まじ最高すぎます!!夢主ちゃんの性格もよき笑応援してます!! (2020年6月22日 18時) (レス) id: a8669a7d2d (このIDを非表示/違反報告)
花札 - そういえば、ひなたさんの推しは誰ですか?それと、有一朗君が死んでしまった所とっても泣きました。カナエさんはどうなるんでしょうかね。頑張ってください!! (2020年6月5日 15時) (レス) id: bb31b5d897 (このIDを非表示/違反報告)
いくら - ひなたさん» いえいえ!!こんな素敵な小説なら、いつまでも待てますよ!! (2020年5月19日 12時) (レス) id: 16c4d9d785 (このIDを非表示/違反報告)
花札 - こんにちは、とても面白かったです。(はやく続き読みたい・・・。)更新、頑張ってください!応援してます!! (2020年5月9日 21時) (レス) id: bb31b5d897 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - いくらさん» くそみたいに更新遅くて申し訳ないです…!頑張りますね!!!! (2020年5月9日 11時) (レス) id: 138242db57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなた | 作成日時:2020年3月17日 12時