4話「変化」 ページ4
「えっと、やまとちゃんは、」
「気安く呼ばないで」
「う、、はい……」
あれから数日。おばあちゃんのお家でお世話になっているのだけれど、一向に仲良くなれない。一方的に嫌われちゃってるな。
「今日も修行?」
「……」
庭で木刀を振るやまとちゃん。返事がない。これはもう話しかけない方が良いかな。邪魔してごめんね、と伝えてから家事に戻る。掃除洗濯料理裁縫、まみーからしごかれて身についた家事スキルで、一般レベルにはこなすことが出来る。家に置いてもらってる分はたらかなきゃね。まみーありがとう。
おばあちゃんは忙しい人らしく昼間はほぼ家にいない。その間、やまとちゃんと二人きりなわけで。少しでも仲良くなれたらと思っていたのは甘かったみたい。
今日は夜ご飯何にしようか。野菜もいっぱいあるし、お鍋かな。手軽だし、体も温まるもんね。
数日、過ごしてみて何度か耳にしたワードでこの世界の大凡の検討が着いた。決定打となったのは、鬼殺隊、という言葉。お味噌汁吹きそうになったわ。
ここは、鬼滅の刃の世界と考えて間違いない。
しかも、おばあちゃんは元鬼殺隊だというから驚きだ。柱では無いものの、階級も高く実力もあったのだと誇らしげに鼻の穴を膨らませながらやまとちゃんが語ってくれた。
きっとそのおばあちゃんに憧れて、なのだろう。鬼殺隊を目指して毎日頑張っているのだと、そしてそれを見守ってあげて欲しいと、そうお願いされた。
「見守る、って言われてもなぁ」
正直なにかしてあげたいとは思うのだけれど、何をしてあげればいいか。せいぜい家事の分担を多く受け持つことや休憩のお茶を入れる程度。話とかも出来れば言いけれど、なんせあの嫌われようだからな、
それともうひとつ。気になるといえば、やまとちゃんは時々ふと悲しそうな寂しそうな表情をする。特に木刀を握っている時。あ、ほら、今も。
「……あ、」
バチッと目があい、すぐに逸らされてしまった。見すぎてたかな。
「そ、そろそろ休憩にしない?お茶入れようか」
「……うん」
おや素直だ。汗を手ぬぐいで拭いながら縁側に座るやまとちゃん。お茶を入れ渡すとお礼を言われた。根は優しい子なんだな。
「隣、来ないの」
「え、いいの?」
「いいよ、別に」
じゃあお言葉に甘えまして失礼しますよ。よいしょ。
ズズ…とお茶を啜る。天気もいいし、なんだか平和だなぁ。今までダラダラ生きてきたから、動き回ってるせいで筋肉痛で身体中痛いけど。
5話「マザコンならぬグラコン」→←3話「大きなおにぎりには夢と希望が詰まっている」
124人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鎖夏(プロフ) - 楽しく拝見させて頂いてます。私、錆兎が大大大好きなので、この作品まじ最高すぎます!!夢主ちゃんの性格もよき笑応援してます!! (2020年6月22日 18時) (レス) id: a8669a7d2d (このIDを非表示/違反報告)
花札 - そういえば、ひなたさんの推しは誰ですか?それと、有一朗君が死んでしまった所とっても泣きました。カナエさんはどうなるんでしょうかね。頑張ってください!! (2020年6月5日 15時) (レス) id: bb31b5d897 (このIDを非表示/違反報告)
いくら - ひなたさん» いえいえ!!こんな素敵な小説なら、いつまでも待てますよ!! (2020年5月19日 12時) (レス) id: 16c4d9d785 (このIDを非表示/違反報告)
花札 - こんにちは、とても面白かったです。(はやく続き読みたい・・・。)更新、頑張ってください!応援してます!! (2020年5月9日 21時) (レス) id: bb31b5d897 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - いくらさん» くそみたいに更新遅くて申し訳ないです…!頑張りますね!!!! (2020年5月9日 11時) (レス) id: 138242db57 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひなた | 作成日時:2020年3月17日 12時