26話「ご本人様でした(白目)」 ページ26
放っておく訳にもいかず、追いかけると、視界に映ったのは、りんちゃんを抱き抱えている派手な髪。あの顔!あの眉!!まだあそこまで背は大きくないし(しかしこの時点で私よりも大きいという現実)、幼い顔立ちだけど。
絶ッッ対あれ煉獄さんだ。煉獄さんとこの杏寿郎だったァ……!!!杏寿郎違いじゃなかったァ!!
それにしても可愛いな!?やっぱ煉獄さんといえば大柄で逞しくて、皆に頼りにされてて……それで…
ふと、あの有名シーンが頭に浮かんだ。1人の犠牲者も出さず、互角以上に戦い、命を落とした炎柱。予想外の展開に度肝を抜かれ、涙したファンが大半だろう。当然私もその1人である。
ついポロポロと涙が零れた。目立たず、静かに平和に暮らしたいのは本音。この2年間、鬼と戦う鬼殺隊の目的を果たしつつ、たくさんの人の優しさに触れて、このままの生活が続けばなと思っていた。周りの、手の届く範囲の大切な人だけを守っていけたら十分だと、そう思っていたはずなのに。
やっぱさ、いざ目の前にしちゃうと
「助けたい。生きていて欲しい、って思うちゃうんだよ」
「よ、よもや!!どうかしたかお嬢さん…どこか痛むのか!?すぐに医者を…」
「Aお姉ちゃん大丈夫…?どこか痛いの?」
「ごめんごめん、だいじょーぶ」
涙を拭って、へらりと笑うと、ホッとしたように2人とも笑ってくれた。最近どうも涙腺が弱くてだめだね。
互いに自己紹介を済ませ、りんちゃん宅へ向かう。どうやら家が近いらしく時々こうして遊んでいるらしい。いつもは弟の千寿郎くんも一緒なのだが、今日は都合が合わず、この場にはいないとの事だ。すまない…と謝る煉獄さんは、どこか少し苦しそうにみえた。
「Aお姉ちゃんはね、強いんだよ!お父さんを鬼から守ってくれたの!!それに凄いこともできるんだよ!!手から火が出るの!!!!」
「どわぁぁあ!!りんちゃんストップ!!!お口チャック!!!めっちゃ喋ったなびっくりしたわ」
「???」
「鬼…ということは、Aは鬼殺隊、ということか??よもや!!それは凄い!!君のような華奢な少女が果敢にも命をかけ、鬼を…!!!」
目をキラキラさせているその姿は、年相応の子供のように見えた。炎のことを話題に出されちゃったからどうしようかと思ったけど、どうやら煉獄さんの興味は私が鬼殺隊だ、という方に流れたらしい。よかた。
りんちゃんのお母さんも面識があるらしく、快く煉獄さんを迎えてくれた。
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鎖夏(プロフ) - 楽しく拝見させて頂いてます。私、錆兎が大大大好きなので、この作品まじ最高すぎます!!夢主ちゃんの性格もよき笑応援してます!! (2020年6月22日 18時) (レス) id: a8669a7d2d (このIDを非表示/違反報告)
花札 - そういえば、ひなたさんの推しは誰ですか?それと、有一朗君が死んでしまった所とっても泣きました。カナエさんはどうなるんでしょうかね。頑張ってください!! (2020年6月5日 15時) (レス) id: bb31b5d897 (このIDを非表示/違反報告)
いくら - ひなたさん» いえいえ!!こんな素敵な小説なら、いつまでも待てますよ!! (2020年5月19日 12時) (レス) id: 16c4d9d785 (このIDを非表示/違反報告)
花札 - こんにちは、とても面白かったです。(はやく続き読みたい・・・。)更新、頑張ってください!応援してます!! (2020年5月9日 21時) (レス) id: bb31b5d897 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - いくらさん» くそみたいに更新遅くて申し訳ないです…!頑張りますね!!!! (2020年5月9日 11時) (レス) id: 138242db57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなた | 作成日時:2020年3月17日 12時