転生先で呼吸が使えず詰んでいる件【鬼滅の刃】

25話「きっとよくある名前」 ページ25

ひとつ。傷を治すことが出来る。詳しく言うと、傷ついた組織を回復させる手伝いが出来る。その者の本来備わっている自己回復能力を最大限引き出す力、ということだ。人間以外の動物や植物にも効果はあり。
ただしそれは生きている生物に限り、既に命絶えている者や、死を望む者に効果はほぼ見られない。
そして、私自身への効果は見られなかった。


ひとつ。鬼を燃やすことが出来る。普通の炎では当然燃えないだろうし、恐らく鬼の苦手とする日光となんら同じ成分がこの炎には含まれていると推測。燃えた鬼は、日光に当たった時と同様回復することなくそのまま消えた(実験済み)。
水をかけても消えることはなく、対象を燃やし尽くすか、私が消えるよう意識するまで消えない様子。おっかねぇ。


自分の体や、生け捕りにした鬼。そして周りの人や動物、植物の力を借りて実験し、何とか導き出した答えだ。まだまだ不確定要素が多く、にわかには信じがたいけれど、この力があれば大切なひとを守ることが出来る。助けることができると思うと、嬉しかった。


しかしその反面リスクもある。一見便利な力だが、無限に使える訳ではなく限界がある。まだ越したことはないが、恐らく当分は使い物にならなくなるだろう。


そして、鬼舞辻無惨の存在だ。あいつに私の存在が知られ、場所が特定されればほぼ高確率で殺される。絶対、あの頭イカレ野郎なら絶対やる。
幸い、まだ十二鬼月とも遭遇していなければ特に目立ったこともされていない。バレていないのだろう。

そのためにもあまり青炎の存在は知られたくないのだ。変に広まって柱合会議とかにかけられるのもごめんだし。静かにこのまま生きていきたいんだ頼むよ。


とか言いつつ、炎の練習をしている時にバッチリりんちゃんに目撃されてしまい、それ以来あれやって！！とお願いされる毎日でございます。可愛いからいいんだけど別に！！！



奥さんに頼まれて、家の前で遊んでいるりんちゃんを見守っていると、急に「あっ！！！」と遠くを指さして走っていくりんちゃん。え、なに、なに事！！！！


「り、りんちゃん！？どうしたの急に！」

「きょーじゅろーお兄ちゃんがいたの！」


きょ、キョージュローオニイチャン……？？

その瞬間、とてつもなく嫌な予感がした。キョージュロー…きょうじゅろう……杏寿郎……
いやまさかな！？ないない。いやどんな確率だよ。偶然助けた人の娘とあの、煉獄杏寿郎と知り合いとか。同姓同名の別人さハハ。

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