19話「またいつの日か会えますように」 ページ19
「……手始めにちょっと甘えてみようとか、思うんだけど」
「あーうん、いいんじゃない?」
甘える錆兎かぁ。いいなそれ。義勇とかすっごく喜びそう。オタクの私としても眼福じゃん。
「って、なんか顔赤くない?大丈夫?熱でもあるんじゃ……」
そう言いかけた瞬間、ぽすっと錆兎が私の太ももめがけて倒れ込んできた。は、え、え、ええ、これって、これって、あの、俗に言う、ひざ、まく、、ら
「さ、錆兎さん、あの、これはどういった……?」
「うるせぇ、見んな」
顔を埋めて隠しているが、耳が赤い。思考が一時停止。ゆっくり状況を理解していく。これは、えっとつまり……??
「ふぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
______
その後は、隊服の支給、体の寸法を図り、鎹烏をつけてもらった。ほんとにカラスだ。かっけぇ。
そして、それぞれが刀を造る玉鋼を選び、解散という運びになった。
ちなみに、聞いた情報によると、山の鬼はほとんどが斬られ、その上過去最高の人数が生き残ったらしい。
7日間の中で謎の団結力が生まれたのだろう、隊員同士の会話も生まれていた。同期となるのだ。仲良くなっておくとことは悪いことじゃない。ただ、その分別れは苦しいものとなるけれど。
私自身も数人の人に声をかけられた。ほとんどが、この7日間で私が助けに入った人達。一人一人顔は覚えていなかったけど、嬉しそうに、ありがとうと言われてこっちも嬉しかった。中にはあの一日目に食事を分けた人もいて、聞きそびれたからと名前を聞かれたが何故か義勇とやまとちゃんが割って入っていた。
「じゃあね、2人とも」
「ああ、元気でな。」
「また、会えるかな…?」
「毎日正しく真っ直ぐ生きてたらきっと会えるわよ!!」
涙目の義勇をバシィ!と勢いよく義勇の背中を叩くやまとちゃん。ほんとに逞しくなったもんだ。
義勇と錆兎と別れ、来た道を帰る。ふと、振り返って遠ざかる背中を見て改めて思った。助けてよかった。未来は変わってしまったかもしれないけれど、やっぱりあの二人には一緒にいて欲しい。
「A?どうしたの?」
「ううん、なんでも。藤の花もらえてよかったね。早く帰って、みんなに渡そうか」
「うんっ!」
何とかお願いして少量譲ってもらった藤の花。鬼殺隊としての仕事が本格的に始まればあの家にもあまり帰れないからね。気休めにしかならないかもだけど。
体は重かったけど、一歩一歩、私たちは来た道をゆっくり進んだ。
20話「優しい手」→←18話「細かいことは気にすんな!それワカチコワカチコ!」
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鎖夏(プロフ) - 楽しく拝見させて頂いてます。私、錆兎が大大大好きなので、この作品まじ最高すぎます!!夢主ちゃんの性格もよき笑応援してます!! (2020年6月22日 18時) (レス) id: a8669a7d2d (このIDを非表示/違反報告)
花札 - そういえば、ひなたさんの推しは誰ですか?それと、有一朗君が死んでしまった所とっても泣きました。カナエさんはどうなるんでしょうかね。頑張ってください!! (2020年6月5日 15時) (レス) id: bb31b5d897 (このIDを非表示/違反報告)
いくら - ひなたさん» いえいえ!!こんな素敵な小説なら、いつまでも待てますよ!! (2020年5月19日 12時) (レス) id: 16c4d9d785 (このIDを非表示/違反報告)
花札 - こんにちは、とても面白かったです。(はやく続き読みたい・・・。)更新、頑張ってください!応援してます!! (2020年5月9日 21時) (レス) id: bb31b5d897 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - いくらさん» くそみたいに更新遅くて申し訳ないです…!頑張りますね!!!! (2020年5月9日 11時) (レス) id: 138242db57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなた | 作成日時:2020年3月17日 12時