12話「サバイバルの本読んでて良かった」 ページ12
運が悪いのか、先程から連続して鬼に襲われる。山に入って1時間程、既にそれぞれ4人ずつ相手していた。
初っ端からこのハイペース。これが後6日間。気は抜けないな。
できるだけ東の方へ移動しながらも、数人の鬼と遭遇したが、無事無傷で一日目の夜を終えた。いくら毎日鍛錬していたとはいえ、やまとちゃんには疲労の色が見える。
「とりあえず、日が照っている場所にいれば安全だからここにいて休んでて。私は周辺の探索と食べ物探してくるから」
「ごめんね。ありがと…。凄いねA、まだ動けるんだ」
「体力だけは自信あるからね」
着ていた羽織をやまとちゃんにかけて、一旦その場を離れる。鬼は、夜に活発に動くと言うだけで、昼間も日が当たらないところならばそれなりに動くことが出来る。山などの影が多いところでは尚更。油断は出来ないけれど、日向にいれば確実だろう。
食べられるものを探しがてら、周辺を歩き回る。少しでも情報は多い方がいい。いざと言う時、何が役に立つか分からないからな。
その時に何人か木や岩にもたれかかって休んでいる人を見かけた。
少し距離はあるが川と、食べられそうな果物もいくつか見つけた。木もあるし、火もつけられるだろう。後で魚を捕まえて焼くか…
丈夫そうな大きな葉をちぎって編み、その場しのぎだが水汲みに使えるよう即席のコップを作った。うむ、飢えの心配は無さそうだ。
「そだ、さっきの人達にも持って行ってあげようかな。ついでだし」
即席コップに汲んだ水と果物をそっと、休んでいる人のそばに置く。驚かせてしまったが、嬉しそうに涙を浮かべながらお礼を言われた。
「これ、君が作ったのか?凄いな…」
「その場しのぎですけどね」
「俺なんてもう、自分のことで精一杯だよ…夜だって危ないところを助けられたしな」
「へぇ…!凄い人がいるんですね」
「強かったよ。一瞬で鬼を斬っちまった。珍しい髪色の少年だったな。宍色で、口元に傷のある…」
「エッ、それさびっ」
「さび??」
慌てて口を抑える。やばいなどうやら私は思ったことがすぐストレートに口に出るみたいだ。
「知り合いなのか?」と首を傾げなから聞かれ、曖昧に誤魔化す。
そっか、そういえば錆兎ってこの最終選別で他の人を守るために鬼を斬りまくってたんだっけ。その結果、最後は手鬼に…
なら、少しでも鬼を減らして負担を減らせれば…
目立たず回避できるのでは…!?
「そういえば、君、名前は…って、あれ、いない…」
13話「自分で捕った魚って美味いよね」→←11話「えぐいてぇ!!」
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鎖夏(プロフ) - 楽しく拝見させて頂いてます。私、錆兎が大大大好きなので、この作品まじ最高すぎます!!夢主ちゃんの性格もよき笑応援してます!! (2020年6月22日 18時) (レス) id: a8669a7d2d (このIDを非表示/違反報告)
花札 - そういえば、ひなたさんの推しは誰ですか?それと、有一朗君が死んでしまった所とっても泣きました。カナエさんはどうなるんでしょうかね。頑張ってください!! (2020年6月5日 15時) (レス) id: bb31b5d897 (このIDを非表示/違反報告)
いくら - ひなたさん» いえいえ!!こんな素敵な小説なら、いつまでも待てますよ!! (2020年5月19日 12時) (レス) id: 16c4d9d785 (このIDを非表示/違反報告)
花札 - こんにちは、とても面白かったです。(はやく続き読みたい・・・。)更新、頑張ってください!応援してます!! (2020年5月9日 21時) (レス) id: bb31b5d897 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - いくらさん» くそみたいに更新遅くて申し訳ないです…!頑張りますね!!!! (2020年5月9日 11時) (レス) id: 138242db57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなた | 作成日時:2020年3月17日 12時