36、囁き ページ38
次の日から私は、医務室に篭って優太さんのそばにいた。
薬研くんや石切丸さんに外に出てくるよう言われたが、私は出なかった。
優太さんがこうなってしまったのは、私のせいだから責任を取らなくちゃいけない。
そう思い、今日もここにいる。
｢...優太さん。ごめんなさい。｣
もう、あんな我儘は言わないので、起きてください。
そう思いながら優太さんの手を優しく両手で包み込む。
すると優太さんの手が一瞬だけぴくっと反応した。
...まだ、生きてる。けど...目が覚めない。
この状態のことを植物状態って言うんだっけ...
植物状態になってしまうとずっと眠りっぱなしになっちゃう人もいるんだよね...
...大丈夫、だよね...？
薬研くんが、絶対目が覚めるって言ってたから...
そのようなことを考えていたら頭の中から声が聞こえた。
『こいつが心配か？』
＿＿＿心配だよ。
私のせいでこうなっちゃったんだから...と思いながら返事をする。
『こいつが早く目を覚まして欲しいか？』
＿＿＿当たり前だよ！
何を今更聞いてくるの。と思っていたら
『こいつが早く目を覚ます方法を教えてやろうか？』
と問いかけてきた。
＿＿＿...教えて。
『ははっ。食いつくなぁ』
その声は愉快そうに笑ってからこう続けた。
『過去を変えればいいんだよ』
＿＿＿過去を、変える...？
『あぁ。手っ取り早い話だ』
お前は過去に何が起こるか知ってるだろ？
だから...こいつがこうならない道を歩み直せばいいんだよ。
そう言葉を続けた。
...確かに、それは手っ取り早いな。
優太さんが倒れないようにすればいいって事だよね。
過去を知っている私なら、それくらい容易いことだ。
そう思い、過去への行き方を聞こうとすると襖を開けて誰かが入ってきた。
今、いい所だったのに...と思いながら入口を見ると青江さんがいた。
青江さんはいつも通りへらへらしていたが、私の顔を見てから血相を変えたような顔をしてこちらに歩み寄ってきた。
そのあと、私を抱きしめた。
｢っ！...青江さん？どうしたんですか？｣
私が驚きながらそう聞いても青江さんは何も答えず無言で抱きしめている。
そう言えばあの声、聞こえなくなったな、と思っていると青江さんがやっと口を開いた。
青江｢...様子を見に来て正解だったよ｣
青江さんは溜息を吐き、私を抱きしめる手の力を強めた。
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みほ(プロフ) - 有愛さん» そうです！顕現という言葉が出てこなくて現像と表示していました...。MVPも同じ理由です...。修正しますね。指摘ありがとうございました！更新頑張りますね！ (2018年9月21日 20時) (
レス) id: b0af25d81b (このIDを非表示/違反報告)
有愛 - 現象は、顕現…の事でしょうか？MVPとは、誉の事…ですよね？続きが気になります、更新楽しみにしてます。 (2018年9月21日 18時) (レス) id: ad2c57ea43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みほ | 作成日時：2018年9月15日 10時
