検索窓
今日:16 hit、昨日:0 hit、合計:80,571 hit

4話 果たし状 ページ6

午前中の授業が終わり、教室ではもう既に何名か、弁当に手をつけるものが見えてくる。


ふわぁ…と大きな欠伸をし、頭上で組んだ腕を伸ばすと席を立ち上がる。


怠く重い体を動かし教室を出ると、僕は「何時もの場所」へと向かった。
暗く続いた階段を上って、鉄の少し錆がかかったドアノブを捻ると「何時もの場所」はすぐそこだ。



「…相変わらず、いい風が吹くな…屋上は」



目の前からブワッと強く吹いた風で、制服はバタバタと揺らぎ、前髪は舞い上がり額を出した。
スゥと息を吸えば、どんなに嫌な事があっても忘れられる…気がする。


「それにしても…先客がいるなんてね…。何か用か?高杉晋助」


僕が屋上に入ってきた扉の上のコンクリートには、面白そうに口を歪めている高杉の姿があった。


「…流石、気付くのが早ぇな。小鳥遊零」


そう言うと高杉は、黒い学ランをなびかせ僕がいる高さまで降りてきた。


高杉晋助…。銀魂高校1の不良。


見た目からあまり近づきにくそうな奴だが、案外連んでいて楽しい。
お陰で僕も不良扱いされてんだよな…。そのためか、問題児ばかり集まる3年Z組に入れられるし。


まぁ、楽しいから良いけどさ。それに、3年Z組に僕がいる理由はそれだけじゃないし。


そんな事を考えていると、高杉は懐から何か紙のような物を取り出した。


「…なんだ、それ」


「夜兎工の奴からだ。こなかったら、殴り込みにわざわざ出向いてくれるらしい」


そう言って、ぽいっと僕に投げ渡す。


「そうか、出向いてくれるなら僕が向かうまでもない。手紙、届けてくれてありがとな」


そう高杉に言うと僕は後ろを向き、弁当を取り出した。


「…お前らしいな」


そう僕の背中に向かって、高杉が呟くように言った。





僕がこのクラスにいるもう一つの理由。






それは…







ただ単に喧嘩が強い、それだけのことだ。

そのためか他の高校からも目をつけられてしまって、先生の間では密かに「問題児」扱いをされている。



…仕方ないだろ、自分ではもうどうにもできないんだから。

5話 喧嘩、しようぜ→←3話 猫被り



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (44 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
54人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 執事 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

夜蛍(プロフ) - 太陽さん» ありがとうございます!某執事好きなのでなんかそれらしくなっちゃいましたw (2015年7月1日 16時) (レス) id: 5105134f07 (このIDを非表示/違反報告)
太陽 - 何か黒〇事に似てるけど、とても面白いです! (2015年7月1日 16時) (レス) id: 6090b1bd34 (このIDを非表示/違反報告)
巴御前 - ありがとうございます(*⌒▽⌒*) (2015年6月28日 7時) (レス) id: c08cf44779 (このIDを非表示/違反報告)
夜蛍(プロフ) - 巴御前さん» 大丈夫です、テスト頑張ってください^ ^ (2015年6月27日 20時) (レス) id: 5105134f07 (このIDを非表示/違反報告)
巴御前 - 夜蛍さん» 返信遅くなってすみません 毎週買っているんですね!いいですね(*^-^*) ぜひ見てみてください(*^▽^*)すごく面白いですよ! 僕は今、月曜日にあるテストに追われてます( ノω-、) (2015年6月27日 20時) (レス) id: c08cf44779 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夜蛍 x他1人 | 作成日時:2015年6月13日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。