46話 灯台下暗し ページ48
「はあ…疲れた…」
先程から一向に話が進まっていない。と言うか、手掛かりさえも掴めない。
僕の周りには、大量の吸血鬼やら歴史書やらの資料が床が見えなくなるほど雑に置いてあった。
…もう、本棚の本が無いんですけど。
殆ど空になった本棚を見てそう思うと、深く溜息をつく。
…もしかして、始めからそんな本なかったんじゃ無いのか?
僕が勝手に「此処にある」と決めつけて、ただ無駄な時間を費やしていただけなんじゃ無いのか?
そう考えると、肩が一気に重くなる。もしそうだったら、僕は一体何をやっていたのか…。
その場を立ち上がると、残り少ない冊数の本棚の前へと向かう。
…もう、これに賭けるしかない。
そんな事を思って本に手を伸ばそうと、一歩前に出る。が、誤って足下に落ちていた本を踏んでしまい、そのまま本棚に激突した。
「…っ!痛っ」
小さく悲鳴を上げ、バタンと床に倒れる。
ああ…かっこ悪ぃ…。
そんな事を思いながら、立ち上がろうと目を開ける。すると、本棚の下に黒い一冊のノートのような冊子を見つけた。
「…なんで、本棚の下に…」
そんな事を不思議に思いながら、本棚の下の隙間に手を伸ばすと、その冊子を手に取った。
黒い一冊の本は埃が被っていて、何年もの間置きっ放しされていたようだった。
本を開いてみると、色褪せて黄色っぽくなったページが姿を現し、そこにはビッシリと文字が敷き詰められていた。
「…この字…父さんの…」
見覚えのある字を見て、懐かしそうに文字を指先でなぞる。なぞっていると、ある所でふと指を止めた。
「…先祖は英国の神父だった…?だと?」
細い文字をなぞって、文章を読み上げていく。そんな事、今まで知らなかった。
そう言えば、さっき見た吸血鬼の本に英国は吸血鬼の発祥地だと書いてあったな。
…ってことは、小鳥遊家と吸血鬼にはもっと深い関わりがあるのか?
「…確か英国は一時期ヴァンパイアによって、破滅しそうになった事があったってことも書いてあったな…でもそれと神父で何が関係あるんだ?」
あー、駄目だ。なんか知れば知るほど頭が混乱してくる。全然答えという答えが見つからない…。
「…呪われた血?」
何気なく開いたページに目を落とすと、そこにはハッキリと『呪われた血』という文字が赤黒い文字で記されていた。
「…っ、これって…」
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夜蛍(プロフ) - 太陽さん» ありがとうございます!某執事好きなのでなんかそれらしくなっちゃいましたw (2015年7月1日 16時) (レス) id: 5105134f07 (このIDを非表示/違反報告)
太陽 - 何か黒〇事に似てるけど、とても面白いです! (2015年7月1日 16時) (レス) id: 6090b1bd34 (このIDを非表示/違反報告)
巴御前 - ありがとうございます(*⌒▽⌒*) (2015年6月28日 7時) (レス) id: c08cf44779 (このIDを非表示/違反報告)
夜蛍(プロフ) - 巴御前さん» 大丈夫です、テスト頑張ってください^ ^ (2015年6月27日 20時) (レス) id: 5105134f07 (このIDを非表示/違反報告)
巴御前 - 夜蛍さん» 返信遅くなってすみません 毎週買っているんですね!いいですね(*^-^*) ぜひ見てみてください(*^▽^*)すごく面白いですよ! 僕は今、月曜日にあるテストに追われてます( ノω-、) (2015年6月27日 20時) (レス) id: c08cf44779 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜蛍 x他1人 | 作成日時:2015年6月13日 18時