41話 赤い瞳 ページ43
「…っ!」
が、走り出そうと後ろを向いた時、別の人と衝突する。見上げて見れば、そいつもまた血のように赤い瞳をしていた。
…しまった、囲まれた!
はじめは2人だったのに、次々と集まってくる吸血鬼達。それはまるで、甘い砂糖に集まってくる蟻のようだった。
「…ミツケタ、コイツダ」
「…サガシタ、ズット」
あっと言う間に僕達は囲まれ、身動きが取れない状況になった。
「〜っ!」
途端に片腕にギリっとした痛みが走り、見てみると吸血鬼の一人が零の腕を爪がめり込むぐらい強く握っていた。
そこからは血が滲み出し、地面にポタポタと垂れていく。
「…アマイカオリ…ノロワレタ、チ…」
「呪われた、血だと…?」
吸血鬼の言葉に零は思わず、余所見をする。
「危ねえっ…!」
横にいた沖田にドンっと押されると、僕は道端に倒れた。起き上がりみると、沖田は鋭利のように尖った爪で体を斬りつけられる。
「沖田っ!」
そう叫び、直様駆け寄ると、沖田の体からは痛々しい傷がつけてあり、出血が止まらない。
「…っなんで!」
「…なんでって、俺たち…友達だろ…?…助けるのは…当たり前…」
そう言って沖田は目を瞑った。嘘、だろ?まさか…。
そう思い最悪の事をを思いついてしまう。が、まだ少ないが息もある。
…よかった、気絶しているだけか。
「…っくそ」
見上げれば、何処か愉快そうにケラケラと笑う吸血鬼達。
…何やってんだよっ、あいつは…!
僕が死んでもいいのか?こいつらの餌食にされたら、困るのはお前の方だろ!
…土方!
そう思ったと同時に吸血鬼達は一斉に僕たちを飲み込むように襲いかかってきた。
「…っ!土方っっ!」
抗うように僕は思わず土方の名前を叫んだ。自分を覆い被さってくる吸血鬼の影に、僕は思わず目を閉じる。
「お呼びしましたか?ご主人」
そう声が聞こえると、僕を覆い被さってきた吸血鬼達は一瞬で斬り刻まれ灰となって崩れ去っていった。
「…ック、ジャマガハイッタ…」
そう言い残すと、後ろの方にいた吸血鬼の一人は壁の向こう側へと消えていった。
辺りが静かになった瞬間にゾワッと寒気が一気に溢れ出し、足がよろけて思わず地面に座り込んだ。
「…土方、なんで…」
「貴方が、呼んだんじゃないんですか」
そう言うと土方はいつになく厳しい目つきで見つめると、腕を振り上げた。
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夜蛍(プロフ) - 太陽さん» ありがとうございます!某執事好きなのでなんかそれらしくなっちゃいましたw (2015年7月1日 16時) (レス) id: 5105134f07 (このIDを非表示/違反報告)
太陽 - 何か黒〇事に似てるけど、とても面白いです! (2015年7月1日 16時) (レス) id: 6090b1bd34 (このIDを非表示/違反報告)
巴御前 - ありがとうございます(*⌒▽⌒*) (2015年6月28日 7時) (レス) id: c08cf44779 (このIDを非表示/違反報告)
夜蛍(プロフ) - 巴御前さん» 大丈夫です、テスト頑張ってください^ ^ (2015年6月27日 20時) (レス) id: 5105134f07 (このIDを非表示/違反報告)
巴御前 - 夜蛍さん» 返信遅くなってすみません 毎週買っているんですね!いいですね(*^-^*) ぜひ見てみてください(*^▽^*)すごく面白いですよ! 僕は今、月曜日にあるテストに追われてます( ノω-、) (2015年6月27日 20時) (レス) id: c08cf44779 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜蛍 x他1人 | 作成日時:2015年6月13日 18時