34話 出逢い ページ36
「…い、嫌だ…！僕はこんなところで絶対に死ぬもんか！…僕の親を…僕の家族を殺した奴に…復讐するまでは…！」
そう頭を抑えられながら必死に言い続けると、その男の腕が少し緩んだ。
「へぇ、だからか。あの屋敷から大量の血の匂いがしたのは…って事はお前、小鳥遊家の奴か」
「…っげほっ…そうだけど…」
そう零が苦しそうに起き上がりながら言うと、その男は口角を上げた。
「成る程、通りであの十字架を見た事があったわけだ。…お前の異常な血の甘さにも納得がいく。…此処で殺すのは勿体無いよな」
その男は何やら、ぶつぶつと独り言を呟くともう一度零の方を見つめた。
「…よし、分かった。お前のその復讐とやらに俺も付き合ってやるよ。…が、お前の復讐を終えた時はお前の血を全部飲ませてもらう。…その方が面白みがあっていいだろ？」
その男の言葉に眉をひそめる。…吸血鬼が取引してきた？だと？
…でも、これで彼奴らを殺せるなら…。
「…分かった。いいだろう」
「…契約成立だな。…それまでお前は俺が守ってやるよ。ただ逃げた時はその場で殺す」
「構わない…それより、さっきの話はどうゆうことだ？」
先程の話を思い出して、僕はその男に問う。
吸血鬼に質問するなんて、可笑しな話だよな。
「…お前何も分からないんだな。まあ、その内嫌でも分かる」
その吸血鬼は何故か愉快そうに口を歪ませる。その姿に背筋に寒気が走った。
これが吸血鬼の土方十四郎との出会いだった。
□□□
その三日後、僕の家の前には墓石がたった。
母がキリスト教信者だったので、僕の付けている十字架と同じ十字架がたった綺麗な墓石。
天気はまるで僕の心の内を映しているような雨で、僕の体温を徐々に奪っていった。
「…っひう…お母さん、お父さん…」
泣き崩れると、僕の手の甲には涙がポタポタと落ちる。目を覚めるたびに、あの事が嘘だったんじゃないのかって思った。
けど、目が醒めても優しい両親もいない、少し煩いけど面白い使用人達もいない。
僕は、1人になった。
「こんな所にいると、風邪をひいてしまいますよ」
振り返ってみると、其処には黒い執事服を身に纏った土方が立っていた。
「…何で、執事の服着てんだよ」
「貴方を護ることになるなら、執事の方が普通だと思って」
「お前、本当に吸血鬼だよな…？」
そういや、僕は1人じゃないんだっけ。
こんな吸血鬼と一緒で僕は本当に大丈夫なのだろうか…？
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夜蛍(プロフ) - 太陽さん» ありがとうございます！某執事好きなのでなんかそれらしくなっちゃいましたw (2015年7月1日 16時) (
レス) id: 5105134f07 (このIDを非表示/違反報告)
太陽 - 何か黒〇事に似てるけど、とても面白いです！ (2015年7月1日 16時) (レス) id: 6090b1bd34 (このIDを非表示/違反報告)
巴御前 - ありがとうございます(*⌒▽⌒*) (2015年6月28日 7時) (レス) id: c08cf44779 (このIDを非表示/違反報告)
夜蛍(プロフ) - 巴御前さん» 大丈夫です、テスト頑張ってください^ ^ (2015年6月27日 20時) (レス) id: 5105134f07 (このIDを非表示/違反報告)
巴御前 - 夜蛍さん» 返信遅くなってすみません 毎週買っているんですね！いいですね(*^-^*) ぜひ見てみてください(*^▽^*)すごく面白いですよ！ 僕は今、月曜日にあるテストに追われてます( ノω-、） (2015年6月27日 20時) (レス) id: c08cf44779 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜蛍 x他1人 | 作成日時：2015年6月13日 18時
