31話 奪われた幸せ ページ33
「おかえりなさい！お父さん、お母さん！」
出迎えした使用人の前に出ると、明るい声で零が言った。
「ただいま、零。ちゃんと勉強してたか？」
「もちろんです！…今日は帰りが早かったですね」
「あったりまえよ〜！今日はクリスマスだからね。零の笑顔が早く見れてよかったわ」
そう父親の隣にいた母親が、零の頭を優しく撫でた。その言葉に満面の笑みを浮かべた。
「さてと、クリスマスパーティーを始めるからちゃんと準備してこいよ」
「はーい！」
元気に答えると、零は急いで階段を駆け上がり部屋へと走って行った。
いつも帰りの遅い両親と、こうやって長い時間いれるのは年に数回。
その為か、何時も以上にテンションが高く胸が高鳴っていた。
そんな幸せなクリスマスは、もう訪れないことも知らずに。
「さてと、準備はできたか…。メイドさん、そろそろ…」
そう言って部屋の扉を開いた。が、何時も外で待機している使用人は何処にも居らず、暗い廊下が静かに広がっていた。
「…あれ？もういっちゃたのか？」
そう呟くと、その声が不気味に廊下に響き渡った。
コツコツ…と階段を降る音がフロアに響き渡り、それが反射して何重にも聞こえた。
電気はついていて明るいのに、空気はとても暗く、歩いているだけで緊張感が走る。
「…っえ」
一階に降りた時、そこに広がっていたのは。
真っ赤な血に染まって倒れている使用人達。其処には抵抗していたのか、銃やナイフなどが落ちていて。
一瞬思考が停止した。何故こんな事になっているのか、と。
「おい、如何したんだよ！それとも、これもパーティーの一部なのか？」
そう冗談交じりに言って見るが、返事は返ってこない。心臓の動きが速くなっていると、先程の父の部屋からガタンと音が聞こえてきた。
「…誰か、いるのか？」
そう言って、部屋の前に辿り着くと中から鉄のような匂いがしてきて。
まさか、と思うと部屋の扉を勢いよく開けた。
開けるとすぐにメイドが出てきて、僕の方を見るなり青ざめた表情で駆け寄ってきた。
「…駄目です、坊っちゃん！こっちに来ては…」
ドンッ
そう音が聞こえてきたのと同時にメイドの額が撃ち抜かれると、そのまま零を押し倒した。
「…っひ」
徐々に冷たくなってく体温に触れ、僕を押し倒したメイドが死体だという事に気付き小さく悲鳴をあげた。
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夜蛍(プロフ) - 太陽さん» ありがとうございます！某執事好きなのでなんかそれらしくなっちゃいましたw (2015年7月1日 16時) (
レス) id: 5105134f07 (このIDを非表示/違反報告)
太陽 - 何か黒〇事に似てるけど、とても面白いです！ (2015年7月1日 16時) (レス) id: 6090b1bd34 (このIDを非表示/違反報告)
巴御前 - ありがとうございます(*⌒▽⌒*) (2015年6月28日 7時) (レス) id: c08cf44779 (このIDを非表示/違反報告)
夜蛍(プロフ) - 巴御前さん» 大丈夫です、テスト頑張ってください^ ^ (2015年6月27日 20時) (レス) id: 5105134f07 (このIDを非表示/違反報告)
巴御前 - 夜蛍さん» 返信遅くなってすみません 毎週買っているんですね！いいですね(*^-^*) ぜひ見てみてください(*^▽^*)すごく面白いですよ！ 僕は今、月曜日にあるテストに追われてます( ノω-、） (2015年6月27日 20時) (レス) id: c08cf44779 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜蛍 x他1人 | 作成日時：2015年6月13日 18時
