30話 7年前 ページ32
________7年前
「まーたこんな所にいたんですね!零お坊っちゃん!早く部屋に戻りますよ!」
そう一人のメイドが部屋に入ってくるなり言うと、零が読んでいた本を取り上げた。
「あー、まだ最後まで読んでいなかったのに…」
「勉強の途中でしょう?トイレ行ったきり戻ってこないものだから…。こんな所にいると、また旦那様に怒られますよ」
そうメイドが言うと、零はふいっと外方を向いた。
「だって、勉強なんて嫌いだし。つまんないんだもん」
「でも、ここは旦那様の部屋でしょ?…とにかく早く部屋に戻りますよ!」
「嫌だね。…それよりメイドさん。何か面白い話してよ。そしたら戻ってあげてもいいよ」
そうニヤッと口角を上げながら零が言うと、その様子にメイドははぁ…と溜息をついた。
「…坊っちゃんがさっき読んでいたのって、吸血鬼の話でしたよね?」
「うん、最近街で吸血鬼が人を襲ってるんでしょ?だから、吸血鬼について知りたくて…」
そう真剣な表情で零が言うと、メイドは「そうゆうのはちゃんと調べるのに、何で勉強は…」とかなんとか言っている。
「そうですね…この世には吸血鬼も、天使も悪魔も存在しますからね。知ってます?英国では実際に悪魔や天使などの事件なども多発してるんですよ?」
「え?吸血鬼はまだ分かるけど、悪魔と天使って…」
零が眉を下げて疑うような目でメイドを見つめる。
「まあ、本当に悪魔や天使か如何かは分かりませんが…」
「あっちの方は大変そうだね…」
「さあ、話はしました。戻りますよ」
メイドはそう言うと、零の腕を掴んだ。
「え、話短っ!…勉強させるなら学校に行かせてよ!僕と同い年の人はみんな言ってるんだろ!?」
僕がそう怒鳴るようにして言うと、メイドの腕を強く振り払った。
「…それは、駄目ですよ。外に出て、もし坊っちゃんの身に何かあっては…」
「そんなの、吸血鬼に会わなきゃいいんだろ!それに僕が襲われるとは限らないし」
そうメイドの目を見つめ、拳に力を入れた。
その様子を見たメイドは少し考えるように間を置くと、僕を見つめ返し口を開いた。
「それは、坊っちゃんが…」
そんなメイドの声に耳を傾けていると、玄関の方から誰かの声が聞こえてきた。
「あ、帰ってきた!」
零はパァと顔を明るくすると、メイドを置いて、玄関の方に走って行った。
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夜蛍(プロフ) - 太陽さん» ありがとうございます!某執事好きなのでなんかそれらしくなっちゃいましたw (2015年7月1日 16時) (レス) id: 5105134f07 (このIDを非表示/違反報告)
太陽 - 何か黒〇事に似てるけど、とても面白いです! (2015年7月1日 16時) (レス) id: 6090b1bd34 (このIDを非表示/違反報告)
巴御前 - ありがとうございます(*⌒▽⌒*) (2015年6月28日 7時) (レス) id: c08cf44779 (このIDを非表示/違反報告)
夜蛍(プロフ) - 巴御前さん» 大丈夫です、テスト頑張ってください^ ^ (2015年6月27日 20時) (レス) id: 5105134f07 (このIDを非表示/違反報告)
巴御前 - 夜蛍さん» 返信遅くなってすみません 毎週買っているんですね!いいですね(*^-^*) ぜひ見てみてください(*^▽^*)すごく面白いですよ! 僕は今、月曜日にあるテストに追われてます( ノω-、) (2015年6月27日 20時) (レス) id: c08cf44779 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜蛍 x他1人 | 作成日時:2015年6月13日 18時