17話 仲の悪い二人 ページ19
そう言った二人は睨み合い、そのまま動かない。
こいつらは本当に仲が悪いな…なんて思いながら見つめていると、何故だか笑いが込み上げてきた。
が、それを声に出さないように耐える。
だって今笑ったら絶対変な目で見られるだろうからな。
「…おい、その辺にしておけよ土方。そいつは僕達の写真を持ってるんだから下手に動けない」
「それなら御心配なく。すでにファイルから消しておきましたから」
土方はそう言うと、沖田の前に携帯を放り投げた。
「…っな!いつの間に…」
そう言って沖田は焦るように自分のポケットを確認した。
「…残念ですね、これで証拠は無くなりましたよ。…面白そうだから泳がせておいたのですが…あまり意味は無かったみたいですね」
「…っち」
土方の言葉に沖田は小さく、はっきりと舌打ちをした。
そんな沖田に土方は少し口を歪めると、沖田の耳元で「残念でした」と呟く。零には聞こえていなかったようで、不思議そうに土方の方を見つめた。
「まあ、それより早く教室に戻った方がいい。もう全員帰ったと思うぞ」
土方はそう言って、沖田と零の背中を押し保健室から追い出した。
そういえば、さっきの授業って6時間目だったけ。…だとしたら早く家に帰らないとマズイな…。
そう考えると、僕は急いで階段を駆け上がり教室へと向かった。
「行かなくていいのか?」
保健室前で立ち止まっている沖田に、後ろから土方が声を掛けた。
「…零から聞きやした。…零の親が亡くなった時、あんたが助けたんだろ?…何がきっかけであんたが零と会ったのか知らないけど、あんまりあいつの事虐めんじゃねえぞ」
「…それはお互い様だろ」
土方の答えに沖田はもう一度睨みつけると、沖田はその場を離れた。
…何でだろ、まだ何か引っかかるな…。
沖田は訝しげな表情で、夕日の赤い光で照らされた廊下を歩いて行った。
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夜蛍(プロフ) - 太陽さん» ありがとうございます!某執事好きなのでなんかそれらしくなっちゃいましたw (2015年7月1日 16時) (レス) id: 5105134f07 (このIDを非表示/違反報告)
太陽 - 何か黒〇事に似てるけど、とても面白いです! (2015年7月1日 16時) (レス) id: 6090b1bd34 (このIDを非表示/違反報告)
巴御前 - ありがとうございます(*⌒▽⌒*) (2015年6月28日 7時) (レス) id: c08cf44779 (このIDを非表示/違反報告)
夜蛍(プロフ) - 巴御前さん» 大丈夫です、テスト頑張ってください^ ^ (2015年6月27日 20時) (レス) id: 5105134f07 (このIDを非表示/違反報告)
巴御前 - 夜蛍さん» 返信遅くなってすみません 毎週買っているんですね!いいですね(*^-^*) ぜひ見てみてください(*^▽^*)すごく面白いですよ! 僕は今、月曜日にあるテストに追われてます( ノω-、) (2015年6月27日 20時) (レス) id: c08cf44779 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜蛍 x他1人 | 作成日時:2015年6月13日 18時