9話 僕は男だ ページ11
最後の授業が終わるチャイムが鳴り響くと、一斉に教室を飛び出していく部活の連中。
夕日が山の方に傾き始め、赤い光の筋が教室を通ると、僕の後ろにはっきりとした影を作っていく。
この影は光があるから存在し、光は影があるから存在できる。
…まるで、あいつと僕の関係のように。
「零!また明日〜!」
そう神楽が言ったのに続いて、神楽の周りにいた女子達も手を振った。
そんな彼女らに僕も手を振ると、何故かきゃーとか言われて教室を出て行かれてしまった。
何故今叫ばれた?
…とゆうか、僕って結構女子と話す事が多いよな…。
他の男子曰く、「お前も女子だから」とか言われた事があるけど。
そんな男子の声を思い出し、眉の間に皺を寄せた。
当たり前だ、僕は男だぞ。女扱いされたら誰だってムカつくだろ?
はぁ…嫌な事を思い出した。
そう考えると、鞄を持ち教室を出る。
まだ、僕の1日は終わらない。
ケータイを開き、スケジュールを開くとビッシリと予定が詰まっていた。
「…家に帰ってすぐ、この前契約を結んだ会社との商談。その後、部屋に戻り資料に目を通して、そのまま最近提案した商品の試食会…。それから…」
そう一人でブツブツ呟いていると、前を歩いていた人物にぶつかってしまった。
「…っ、すみま…土方?」
謝ろうと前の人物をよく見てみると、黒スーツに着替えた土方が驚いたように目を見開かせて立っていた。
「ああ、坊っちゃん。今日は遅いお帰りで。早く家に帰らないと予定に間に合わなくなってしまいますよ?」
そう土方が吸っていた煙草を捨て、足で踏み潰した。
「…別に。それより今日」
と言いかけて、先程の沖田の事を思い出した。
あの後…また教室であって…。
(あ、早速なんだけどこの事は土方に話すんじゃねえよ)
そう不気味に笑う沖田の姿が頭に浮かぶ。
ああ…本当に最悪の日になった。
「どうしました?顔色が悪いですが…」
そう土方は僕の頬に手を添えた。
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夜蛍(プロフ) - 太陽さん» ありがとうございます!某執事好きなのでなんかそれらしくなっちゃいましたw (2015年7月1日 16時) (レス) id: 5105134f07 (このIDを非表示/違反報告)
太陽 - 何か黒〇事に似てるけど、とても面白いです! (2015年7月1日 16時) (レス) id: 6090b1bd34 (このIDを非表示/違反報告)
巴御前 - ありがとうございます(*⌒▽⌒*) (2015年6月28日 7時) (レス) id: c08cf44779 (このIDを非表示/違反報告)
夜蛍(プロフ) - 巴御前さん» 大丈夫です、テスト頑張ってください^ ^ (2015年6月27日 20時) (レス) id: 5105134f07 (このIDを非表示/違反報告)
巴御前 - 夜蛍さん» 返信遅くなってすみません 毎週買っているんですね!いいですね(*^-^*) ぜひ見てみてください(*^▽^*)すごく面白いですよ! 僕は今、月曜日にあるテストに追われてます( ノω-、) (2015年6月27日 20時) (レス) id: c08cf44779 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜蛍 x他1人 | 作成日時:2015年6月13日 18時