36 離れ離れ ページ36
「もうお前には消えて欲しくない…。」
そう言う彼はあまりにも弱々しく、見ているこちらが泣き出してしまいそうになるほどだった。
「あぁ、消えないよ。消されるものか。
あんな奴のあの技、二度とかかりはしない。 っ！！」
これはなんだろう。傷だらけの男の子の傷を直している私。
あぁ、これは…。
「だから…二度と大切な人達と離れ離れになってしまわぬように…
私に教えてくれ。 … ’’ セブ ’’ 。」
彼の懐かしき呼び名を呼ぶと、彼は嬉しいような悲しいような…なんとも言えない表情をする。
「…分かった。ただその前に貴様の話だ。
’’ 黒い丸 ’’ とは何のことだ。」
彼のその発言で、先ほどまで忘れていたことを思い出した。
「…分かった。」
そして私は彼に全てを話した。
鏡の前に辿り着いたことは私の偶然にして、その他の事は全てありのまま話した。
親世代のメンバーが出たこと、それぞれの色に潰れ、私を消したということ。
「…あれは望みの鏡。
昨晩のあれはまるで…っ。
まるで私自身がこの世界から消えたいみたいだった。」
そう言うと彼は私よりも苦しそうな顔を一瞬した。
「それでも貴様は先ほど私に離れ離れにならないと誓った。
昨日の貴様と今日の貴様の望みは違う。
気にするな。」
そう言われた瞬間、コトンッと心のどこかで納得した音がした。
「確かに…、ありがとうセブ。」
「礼には及ばん。」
文面に表すと無愛想に聞こえる彼の台詞もこの二人の中だとそれも優しい言葉に変換される。
「今度は私の番だよ。教えてくれ。」
「…まず今、どこまで思い出せているのか伺おうか。」
「正直あんまり思い出せてないんだ。
私は一度ホグワーツで7年間教わっていること。
何故かよく分からないけど、セブとは仲良くしていた気がする。
セブって呼んでるくらいだし。」
そう言うと彼はふっと鼻で笑い、席を立った。
「ん、どこ行くの？」
これじゃあまるで付き合いたてのバカップルのようだ。
自分でそう考えながら、しかしセブはないなと思ってたりする。
「どこも行かん。茶を用意するだけだ。
何か口に入れておけ。」
「わお、優しい。ん、この匂い…いいね。」
何だかすごく懐かしく優しい気持ちになるこの匂い。
彼と話していると毎回こうだから困る。つい気を抜いてしまいそうになる。
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笑々(プロフ) - 花吹雪さん» ありがとうございます！花吹雪様のコメントが私の更新の糧になります故、本当に感謝しかありません！ ルーピン先生の登場がかなり先になってしまいますが、なるべく早く出せるように努めますね！ これからもよろしく御願い致します！ (2018年3月3日 19時) (
レス) id: 191a8bc27a (このIDを非表示/違反報告)
花吹雪 - 更新頑張って下さい！応援してます！早くルーピン先生が出てきてくれないかな…… (2018年2月25日 1時) (レス) id: 0d387c6cdc (このIDを非表示/違反報告)
笑々(プロフ) - 笠松力さん» 申し訳ありません、私のミスで非表示に致しておりました。こちらで表示の方にしたので、是非今後の話もご覧下さい┏○┓ご指摘誠にありがとうございましたorz (2017年12月18日 23時) (レス) id: 2e93bdeb81 (このIDを非表示/違反報告)
笠松力(プロフ) - すいません。4話は公開されてないのでしょうか？？ (2017年12月18日 23時) (レス) id: e1ac29c836 (このIDを非表示/違反報告)
莉音(プロフ) - はい！ (2017年11月4日 11時) (レス) id: 041b1bc158 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：笑々 | 作成日時：2017年8月15日 22時
