Liar 25. ページ30
*
笑顔で奢ってもらったかき氷を頬張る。
『 ん〜冷たい』
こめかみを押さえながらシャクシャクと氷を砕く。
みんなはスーパーボールすくいやら射的やらで大はしゃぎ。
それを眺める私と真太郎くん。
「…A。」
『 ん?』
「何か辛いことがあったら、溜め込まずに俺に言うのだよ。」
『 どうしたの、いきなり。今日はツンよりデレの方が多いじゃん。甘えたさん、なの?』
からかってくすりと笑えば顔を赤くして否定する真太郎くん。
「ち、違う!!決して甘えたではないのだよ!!
…全く。人が心配しているというのに
辛い時は頼ればいいのだよ」
そっぽ向いてメガネのブリッジを上げる真太郎くんは心底優しい人なんだ、と再認識した。
思わず、笑みがこぼれてしまった。
「な、何がおかしいのだよ!!」
『 べっつにー』
「おい、花火始まっからいくぞー」
射的でさんざん騒いでいた大輝くんがそう声をかけてきた為、また人混みの中で足を進めた。
暫くみんなの後ろを付いて歩けば、ぷち、と足元に異変。下を向けば下駄の緒が切れていた。
直そうと咄嗟にしゃがめば、みんなは遥か向こうの方へ。
鼻緒を即座に直し(私器用じゃない?)、立ち上がれば迷子確定なわけで。…何これ、ベタすぎる展開。
ここで、普通だったら彼が来てくれるんだろうけど、それは期待出来ない。そりゃ、別れたんだから当たり前だけどさ。ベタ中のベタな展開だ。少しだけ、変な望みを抱いていてもいいじゃない。
ふぅ、吐息を吐いてからさつきちゃんに連絡しようとスマホを取り出したとき、後ろから抱き着かれた。
「Aっ、!!」
その声は紛れもなく、思い焦がれた彼の声で。
117人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
パン太郎(プロフ) - 桜庭結香さん» ありがとぉぉぉぉぉぉ!涙!?まじか!…ちゃんと最後は上手くまとめられたかなぁ、なんて思ってます(笑) (2017年7月10日 6時) (レス) id: e31fd52827 (このIDを非表示/違反報告)
桜庭結香(プロフ) - 完結おめでとう!お疲れ様でした。最後は私も涙してしまった…。素晴らしい作品をありがとう!次の作品も期待してます(^^)v (2017年7月10日 0時) (レス) id: e2cb3a14fd (このIDを非表示/違反報告)
パン太郎(プロフ) - や ちさん» ああああああありがとうございます_|\○_完結してもコメントいただけるとは…!!!感動です(泣)次回作、頑張ります!!ぜひ、見てやってくださ(((←なんて押し付けがましい…! (2017年7月9日 20時) (レス) id: e31fd52827 (このIDを非表示/違反報告)
や ち(プロフ) - 完結おめでとうございます(^_^)素敵な友達に恵まれた夢主ちゃんと赤司くんの物語、可愛らしくて良かったです〜!るいさんも天国で見守ってくれてるでしょうね!(笑)次回作、楽しみにしてますっ! (2017年7月9日 19時) (レス) id: 1e979edaaf (このIDを非表示/違反報告)
パン太郎(プロフ) - 蒼葵姫さん» ぬぉぉぉぉぉぉ!嬉しいです!ありがとうございます!!!! (2017年7月7日 18時) (レス) id: e31fd52827 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:パン太郎 | 作成日時:2017年6月30日 20時