【黒子のバスケ】愛してる、なんて嘘。

Liar 20. ページ25

　
　あの日の出来事があってから、彼とは一言も言葉をかわさず夏休みを迎えた。


　
　まぁ、あんなに散々自分の思いをぶちまけてしまってる訳だから顔も合わせずらい。
　
　
　
　予定も特になく、夏休みはダラダラと過ごしていた。
　
　
　
　
　あの日、帰ってきてから声を押し殺して泣いて
　
　涙が枯れる頃にはなんだかスッキリして。
　でも、夏休みは悲しみより虚無感の方がすごかった。

　…何だかんだ言ってやっぱり彼のことはまだ好きだからかな。
　
　
　
　もう時間はお昼なのにベッドから起き上がる気力もなく、ゴロリと寝返りを打つ。
　
　
　
　
　ピロリン♪
　
　

　

　そこに、LI●Eの着信音が静かな部屋に響いた。
　
　
　どうやら、さつきちゃんから夏祭りのお誘いのようだ。
　
　
　
　
　さつきAちゃん、やっほ〜!
　

　
　さつき今週、こっちで花火大会あるんだけど、キセキのみんなも誘って一緒に行かない?
　
　
　
　Aうん。行きたいな。
　


　A実家にも帰省しなきゃだし。
　
　

　さつきやった!それじゃあ、また近々連絡するね♪
　
　
　
　Aありがと
　
　
　
　
　
　スマホの電源をぶちっと消してもう一度布団に身体を投げ出した。
　
　
　
　
　『 …花火大会か、』
　
　
　
　
　彼と行きたかった、なんて口を滑らせていいそうで慌てて口を塞いだ。
　
　もう別れたんだから忘れないとね。
　
　いつまでも未練がましい女になんてなりたくない。
　
　
　
　
　軽く息を吐いて決心して
　
　ベッドから勢いよく起き上がった。

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