我々さんの恋愛話 (ページ15)

今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:11,931 hit

ht×os【病室に咲く】ページ15

※軍パロ、ぎりﾀﾋネタ回避です

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

焼け焦げた地面、空は本当に戦争後かと疑う程の晴天だ。

自軍は勝利した、普段なら宴をやる予定。そう、普段なら

「ひとらんらん、お見舞来ためぅ。」

「朝顔と向日葵、俺が育ててん。全然ちゃう花やけどすっごい綺麗やろ？」

「今日はな＿＿」

何程君に話し掛けただろう、君の声を待っただろう。

勝手に庇って傷を負った癖に、謝罪の一言だって聞けてい無い

撃たれた所にぐるゞ巻の包帯も先程変えられたであろう点滴も、全てが痛ゞしい。

自分が油断している間に観光客から放たれた弾丸が、自分を庇って撃たれる好きな人が、脳にフラッシュバックする度に心臓が痛い

「″あ″だとか、たった一言でええねん。また、またさ。何時もみたいにさ＿＿」

「優しくてあったかい、お前の声を聞かせてや…ｯ」

ぼろゞと流れる涙で自分の瞳が、其れが零れる服が濡れていく。

ハンカチなんて今は持ち合わせてい無い。腫れるのは分かってるけど、ごしゞと自分の目元を擦る

幾ら擦っても気分屋な塩っぱい液体は止まってくれなくて、嗚咽を出し乍彼の手を握るしか出来無かった。

「お"きたら"俺のへやでｯ、けーき食"べて、げほｯ、」

「紅茶のみながら、まんちゃんってなまえ"ｯ。呼んでもらうねん、」

ベッドのシーツは俺の涙でびしょゞで、医務室の神に怒られてしまうな…なんて呑気な事も考えてた

暫く其の儘泣いてたら、眠ってたみたい。

都合の良い夢を、見てたみたい。

「＿＿、まん…ちゃ、」

よっわい力で、寝起きの様な掠れた声で呼ばれ叩かれた肩

掠れてても分かる、其れは紛れも無い彼の声。出尽くしたと思った涙が、また溢れた。

「ｯ、ひとらんらん、」

思わず抱き締めた彼の体は、撃たれた時が嘘の様に暖かかった。

「ごめ、心配掛けちゃったね。」

「ほんっま心配したんやからな、このあほ。」

「ごめんって、」

「好き、好きや。」

「…へ、」

理解が追い付か無いと云う様な顔をする好きな人。無理も無い、急に告白したんだから。

でも、返事は思ってたモノと違った

「俺もすきだよ、ずっとすきだった。」

「嘘、ついてへんやんな、」

「つくわけないでしょ。」

「マンちゃん。」

「なぁに。」

幸せそうに自分の名前を呼んでくすりと笑う君が、この世で一番好きかもしれない。