怒りと高揚 ページ45
＿＿あぁ、これが怒りだ
全身の血液が沸騰したように熱い
「野上愛理…それにアレ…桜井侑斗。やってくれるよなぁ…！」
してやられた
まんまと騙され、掌で転がされたようで腹立たしい事この上ない
木の上にいるイマジンを見やり、カレンダーを捲ると放り投げる
「潰さないとなぁ…。何も残さないくらいに…潰す…！」
怒りに震える
何もかもが腹立たしい
アイツらも、コイツらも…！
「じゃあ俺達にやらせろ」
「過去へ行くなら早く飛ばせ」
「飛ばせ」
「早く飛ばせ！」
木から降りてきたイマジンが挑発するかのように囃し立てる
それを一瞥し、次の瞬間には笑顔を向ける
カイは笑顔のまま、イマジンを拳で潰し込んだ
「…うるさいんだよ。
誰かの記憶がなけりゃ存在することもできないクセに。どうしようもないよなぁ、お前ら」
＿＿沸々と怒りが溜まっていくのが分かる
それを知ってか知らずか、イマジンは尚もカイを挑発する
「それはお前がろくでもない特異点だから」
その言葉を聞いた瞬間カイの表情は変わり、目一杯の力で木をどつくとイマジンを叩き落とした
落ちてきたイマジンを掴み、どつきながらカイは語る
「この時間を手にいれるってことは、この時間の人間の記憶を手にいれるってことだって…分かってる？
記憶を乗っ取ったらお前らのものにできるんだ。お前らがようやくこの世界に存在する事ができるっていうんだよ…！」
イマジンを痛めつけるその姿は狂気にも似たもので
今のこの状況をまるで楽しんでいるかのようにも見える
最後に思い切りイマジンを蹴り飛ばすと、カイはいくらか満足したような表情を浮かべた
「あっはは…！俺、優しいだろ？
＿＿だから早く潰すんだよ。今も過去も、全部俺たちのものになる。
アレ、野上愛理潰せば…！」
少し先には、お参りをすませ縁起物を買いながら楽しそうに笑う愛理の姿
アレが、自分の計画を狂わせた
呑気に笑っているあの顔を、恐怖に歪ませてやりたい
鋭い視線で愛理を睨むカイだったが、その先に同じように楽しそうに笑うAを見つけるとその表情がいくばくか緩んだ
「あぁ…アイツはいい。面白そうなヤツだからな。
名前は確か……そう、Aだ。
俺が忘れない…そうだ、アイツが欲しい。イマジンの時間と俺の時間…それにアイツがいればきっと完璧だ。
ククッ…最高に楽しいって気がするよ…！」
楽しそうに笑うA
もはや恍惚とも言える表情で、カイはAを見つめていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 55人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
茉南(プロフ) - ちゃちゃさん» 読んでいただきありがとうございます！蟠りがなくなった彼らのやりとり、私も楽しんでます（笑）これからの二人の関係性もまた書いていくので楽しみにしていてください！ (2021年1月24日 17時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃちゃ(プロフ) - もう、夢主と侑斗の関係性大大大好きです！これからも愛読させていただきます！！ (2021年1月24日 8時) (レス) id: f790642b1e (このIDを非表示/違反報告)
茉南(プロフ) - めめめさん» ありがとうございます！電王大好きで、とうとう手を出してしまったのですが…楽しんでいただけたのなら幸いです(^^)最後まで頑張りますので、これからもよろしくお願いします！ (2020年12月31日 21時) (レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
めめめ - 最近電王を一気見してどハマりした者です…！この作品も2日で一気に読んでしまいました…！とても面白くて私好みで大好きです！これからも投稿頑張ってください！応援しています！！ (2020年12月31日 3時) (レス) id: f4d936584d (このIDを非表示/違反報告)
茉南(プロフ) - 雪華さん» こんばんは！ポケモンはなんとなく知っていますが…何ですか？ (2020年10月22日 19時) (レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：茉南 | 作成日時：2020年10月15日 13時
