愛とコトワリ5 ページ36
＿＿さぁ、お前を覗こうか
「…カイ」
「お前、過去へ行きたいって顔してるよなぁ。
俺はお前の抜け落ちた記憶を知りたいって気がする」
なまぬるいやり方は、もうやめだ
良太郎への直接攻撃を仕掛けたカイ
カイは良太郎に近付くと同時に、過去の扉を無理やりこじ開ける
「…ッ！」
「野上！」
過去の記憶を引き出され、良太郎はその苦しさから思わず崩れ落ちる
走り寄る侑斗に目もくれず良太郎の記憶を覗き見るカイは、一通り見終わるとニヤリと笑った
「…なるほど。そういう事か。消さなきゃいけないのは、あれ…桜井侑斗じゃないな。
＿＿今度は間違えないようにしないと」
その言葉に愕然とカイを見上げる良太郎
＿＿何を、言っているんだ…？
その答えは分からないまま、カイは自らの扉を開きイマジンを過去へと送り込む
駆け付け、自身にカードをかざす侑斗と目が合うとカイは思い切り蹴り飛ばした
「…ッ！？」
「侑斗…！」
背中から思い切り叩きつけられた侑斗は、その痛みから立ち上がる事ができない
そんな侑斗に、カイは不気味な笑みを浮かべながら近寄っていく
「…ずっと騙してくれて…ホント、最高って気がするよ…ッ！はははっ！」
尚も近づいてくるカイに、侑斗は必死に体を起こし良太郎にカードの日付を見せた
「急げ…！」
「侑斗…どういうこと？」
「囮だったんだ…。時間の中を逃げてる俺は、イマジンを引きつけていただけだ。本当の分岐点の鍵を隠すために…。
だからお前にも迂闊に言えなかった。
…コイツらには、絶対知られるワケにはいかなかったから」
カイは相変わらず不気味な笑みを浮かべながら近付いてくる
その表情がより一層歪むと、高らかに笑い声を上げた
「でももうバレちゃったー。ハハハッ！
＿＿本当の鍵は、野上…愛理」
「…え……」
周りの音が一瞬、消えた気がした
カイの笑い声をが聞こえる
すぐ近くには、カイに蹴り飛ばされて起き上がれない侑斗が見える
その表情は険しいもの
“知られてしまった”と言わんばかりの、悔しそうな表情
…今、カイはなんて言った？
“＿＿本当の鍵は、野上…愛理”
「姉さん…」
思考が回らない
でも状況はそんな事言っていられないほど逼迫している
＿＿桜井さんは囮だった
彼が分岐点の鍵だと、そう“思って”いた
否、思わされていただけだった
本当の鍵を隠し、守るために
“ミスリード”
この時初めて、Aの言葉が理解できた気がした
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茉南(プロフ) - ちゃちゃさん» 読んでいただきありがとうございます！蟠りがなくなった彼らのやりとり、私も楽しんでます（笑）これからの二人の関係性もまた書いていくので楽しみにしていてください！ (2021年1月24日 17時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃちゃ(プロフ) - もう、夢主と侑斗の関係性大大大好きです！これからも愛読させていただきます！！ (2021年1月24日 8時) (レス) id: f790642b1e (このIDを非表示/違反報告)
茉南(プロフ) - めめめさん» ありがとうございます！電王大好きで、とうとう手を出してしまったのですが…楽しんでいただけたのなら幸いです(^^)最後まで頑張りますので、これからもよろしくお願いします！ (2020年12月31日 21時) (レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
めめめ - 最近電王を一気見してどハマりした者です…！この作品も2日で一気に読んでしまいました…！とても面白くて私好みで大好きです！これからも投稿頑張ってください！応援しています！！ (2020年12月31日 3時) (レス) id: f4d936584d (このIDを非表示/違反報告)
茉南(プロフ) - 雪華さん» こんばんは！ポケモンはなんとなく知っていますが…何ですか？ (2020年10月22日 19時) (レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2020年10月15日 13時
