重大なナニカ6 ページ31
＿＿それはまさに、一瞬だった
「…ッ、」
ゼロライナーの汽笛が聞こえたとほぼ同時に衝撃波が駆け抜けた
その凄まじさに思わず目を瞑り、収まったところで良太郎がそっと目を開けるとそこには見覚えのある人物がいた
「ッ、姉さん！」
あの日、あの時と同じ
記憶を失くした時の、湖のほとりに佇む愛理の姿
良太郎の声に愛理はゆっくりと振り向いた
ここまでは、良太郎の記憶と同じ
「…え…？」
愛理の口が動いている
その記憶は、あの時の記憶の中にない
あの時と、違う＿＿…
「＿＿未来は、きっと………」
「……ッ、」
「侑斗…？」
僅かに聞こえた愛理の言葉に小さく反応した侑斗
その様子にAは侑斗を見るも、噤んだ口からは何も発されない
良太郎の方を見やれば、この状況を理解していないような表情をしていた
愛理が記憶を失くしたというこの時間は、良太郎も覚えのある時間であるというのに
あの表情ということは、何かしらのトリガーが“ここ”にあるということなのだろうか
「…愛理、さん…」
柔らかく微笑む愛理の姿が徐々に消えていく
少し先で倒れている桜井も、同じように消えていく
衝撃波に飲み込まれて、目の前のものが全て
「…………」
全てを飲み込んだ後に訪れたのは、静寂
湖も木々も、先ほどまで見えていた風景がそこには何もない
そこにあるのは、砂ばかり
一面の砂漠に佇んでいるのは良太郎と侑斗、そしてA
「なに、これ…どうして……」
目の前の光景に信じられないと言わんばかりに目を見開く良太郎
良太郎の隣に立つ侑斗は変わらず口を噤んだまま
静寂と化したこの場所に、存在していたもう一人
カイはこの状況を嬉しそうに喜んで笑っていた
「…ハハッ！ハハハ！これ、アレだよなぁ！？
＿＿やったぞーー！過去を手にいれたーー！俺の世界だー！
これで未来も繋がるーー！」
狂喜と言わんばかりに大喜びしてはしゃぐカイ
そして呆然と立ち尽くす良太郎と侑斗
Aもまた、一連の事に脳内処理がついていかない
「…ちょっと待って…？侑斗がここにいて、さっきのゼロノスが桜井さんで…。
ゼロノスカードを使う事によって侑斗は元の時間には戻れないワケでしょ…？
何でわざわざ…“侑斗”に託したの…？」
未だ隠された真実
桜井は一体、“何”から“何”を守ろうとしているのか
辿り着かない答えを必死に模索していると、視界の端で良太郎が崩れ落ちるのを捉えた
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茉南(プロフ) - ちゃちゃさん» 読んでいただきありがとうございます！蟠りがなくなった彼らのやりとり、私も楽しんでます（笑）これからの二人の関係性もまた書いていくので楽しみにしていてください！ (2021年1月24日 17時) (
レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃちゃ(プロフ) - もう、夢主と侑斗の関係性大大大好きです！これからも愛読させていただきます！！ (2021年1月24日 8時) (レス) id: f790642b1e (このIDを非表示/違反報告)
茉南(プロフ) - めめめさん» ありがとうございます！電王大好きで、とうとう手を出してしまったのですが…楽しんでいただけたのなら幸いです(^^)最後まで頑張りますので、これからもよろしくお願いします！ (2020年12月31日 21時) (レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
めめめ - 最近電王を一気見してどハマりした者です…！この作品も2日で一気に読んでしまいました…！とても面白くて私好みで大好きです！これからも投稿頑張ってください！応援しています！！ (2020年12月31日 3時) (レス) id: f4d936584d (このIDを非表示/違反報告)
茉南(プロフ) - 雪華さん» こんばんは！ポケモンはなんとなく知っていますが…何ですか？ (2020年10月22日 19時) (レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2020年10月15日 13時
