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＿＿意外な人の、意外な一面を見た
「あー…今日はえらい目にあった」
朝の大騒ぎ
瞬く間に船内に広がり、一日中どこにいても揶揄われることとなった
…前にマルコ兄ともおんなじような事があったような気がする
あの頃と違うのは、その反応に本気返しができる事
一歩引いてた時よりクルーの皆もしつこいくらいに絡んでくるし、それに対して私も遠慮なくしばいていく
それができるのは、きっと
＿＿お互いに、あの頃より信頼関係が築けているから
だからこそ、“めんどくさい”と思うものの、“悪くない”って思ってしまうのだ
「＿＿、あれ？」
珍しい時間
珍しい場所
そして珍しい組み合わせ
閑散とした食堂の片隅にポツンと置かれたソレと、ソレが小さく見えてしまうほど大きな背中
物珍しさと興味が勝り、そっとそちらへ足を向けるとその背中に声をかけた
「珍しいね、ジョズ兄」
「Aか」
振り向いたジョズ兄にニコリと笑みを浮かべてから、ジョズ兄の目の前にあるモノに視線を移す
少し古びていて、今は誰も触っていないのかうっすらと埃を被った＿＿それでも装飾が美しいアップライトピアノ
ソレを見つめるジョズ兄の瞳は、いつもよりどこか和らいで見えた
「ジョズ兄のピアノ？」
「いや、俺じゃない。ずっと、この場所にある」
「…弾くの？」
「ははっ、俺に弾けると思うか？」
ジョズ兄の手は身体同様、とても大きい
才能云々はともかくとして、鍵盤が細すぎて普通のものではきっと無理だろう
でも＿＿
「…弾きたいと、思ってない？」
楽器に興味のない人間ならば
自分が弾く事のできない楽器ならば
そこに置いてあっても、さほど興味は示さないモノだ
でも、ジョズ兄はそうじゃない
弾ける弾けない関係なしに、この“ピアノ”に興味を示しているように見えたのだ
そう言葉にすれば、ジョズ兄は少しだけ驚いたような表情を見せた後、ゆっくりとピアノの蓋を開ける
次いで人差し指で鍵盤をそっと叩いた
“ポーン”と少しだけ元のキーと外れた音が響く
旋律もない、ただジョズ兄が無作為に選んだ鍵盤が音を奏でる
ずっと弾かれていなかったのか、やっぱり調律が合っていない音が続いた
「ジョズ、兄？」
「……遠い、もう朧げな記憶だ」
そう、言葉を紡ぐジョズ兄の表情は何かを懐かしむようなモノだった
記憶の箱を開くように、ジョズ兄は再び鍵盤に指を落とす
単音は拙いながらも段々と、ひとつの“曲”になっていった
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茉南(プロフ) - はるさん» 読んでいただきありがとうございます！更新を待っていただける事、とても嬉しいです(^^)のんびりし過ぎて忘れられないよう頑張っていきたいと思っています（笑）これからもよろしくお願いします！ (2月15日 11時) (
レス) @page49 id: 6c919d248d (このIDを非表示/違反報告)
はる - やば、めっちゃ最高…!!ゆっくりでいいので更新待ってます‼ (2月15日 10時) (レス) id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
茉南(プロフ) - 雨衣さん» いつもありがとうございます(^^)そうなんですよー！原作はみんないなくなってて寂しくて(T-T)彼らを今後どうするか、ある程度考えているのですが…今が楽しくて悩み中です（笑）今後も楽しんでいただけたら嬉しいです！ (12月28日 0時) (レス) id: 936b383323 (このIDを非表示/違反報告)
雨衣(プロフ) - 毎週本当楽しみにしてます！アニメではサッチもイゾウ達もらいなくなるので寂しいんですけど手のなる方へではみんないるから本当癒しになります！！今後の展開が楽しみです！ (12月27日 21時) (レス) @page44 id: ab81a6b8c3 (このIDを非表示/違反報告)
茉南(プロフ) - れなさん» 読んでいただきありがとうございます！文章を褒めていただき、昇天しそうです…。ちまちま書き進めていますので、のんびり待っていただけると嬉しいです(^^)これからもよろしくお願いします！ (12月19日 23時) (レス) id: a9242dc9a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉南 | 作成日時：2023年3月3日 11時
