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side*涼介
涼介「……はぁ」
目の上に腕を置いて、何度か深呼吸を繰り返す。
……今日は、ダメな日だった。
調子が悪い日だった、それだけだ。
明日も、仕事
今日のスタッフさんに、ちゃんと謝んなきゃ。
外の冷気も一緒に持って帰ってきたらしいコートは、動けない俺を身震いさせる。
……するとまたピコン、と軽快な音が響いた。
中島裕翔一口でいいから、何か食べて薬も飲むんだよ
横目にそれを見て、眠ってしまいそうになるのをぐっと堪える。
ゆっくりと立ち上がるとクローゼットに向かい、コートの袖を抜いた。
.
キッチンのカウンターに置いてあった、いつのか分かんないパンを取り、ひとつちぎる。
テーブルにあるピルケースを持って、ベッドに向かうも
……急に、視界が反転するように回った。
涼介「っ、っう……」
足が思うように動かない。
そばにあった棚に手をつき体を支え、しゃがんだつもりが、簡単に倒れ込んでいた。
涼介「は、はっ……」
ガクガクと震える腕を服の上からつねる。
急な目眩に、吐き気さえも襲ってきて。
全く力の入らない体で這うように動き、壁に寄りかかる。
自己暗示のために胸をさすり、ぎゅっと目を瞑った。
涼介「はぁ、……んっ……く、」
シン……と静まる部屋。
自分の変な呼吸だけが響いて、よりいっそう息ができなくなる。
誰もいない。
歪む視界にはベッドの上に転がるスマホ
涼介「……ゆう……とっ……」
さっき別れたばっかなのに。
自分で振り払ったくせに、また求めるなんて。
惨めな自分に絶望すると、頬を伝ったそれは床に落ちて、雫が跳ねた。
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ゆりあ(プロフ) - 華さん» コメントありがとうございます(´;ω;`) 読み返していただいていたなんて恐縮です……!受験生なので更新はゆっくりペースになってしまうかと思いますが、楽しく書かせていただきます!! (2020年6月28日 19時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - コメント失礼します!今日たまたまこの作品を見返させてもらってたので、更新がとっても嬉しかったです!ついコメントしちゃいましたっ笑笑 このお話大好きです!更新楽しみにしているので、無理なさらずに頑張ってください! (2020年6月27日 21時) (レス) id: 40d9b2d054 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - JUMPLOVEさん» コメントありがとうございます(;_;)正直あまり自信が無かったのですが、にやけて頂けたみたいで良かったです……!!暫くまだまだ続きますので、これからもお隣さんライフをお楽しみください〜! (2020年4月19日 20時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - あ……これはニヤニヤしてしまうやつだ…と気づいたのが遅すぎました。だって気づいた時にはもうゆっるゆるだったんですもん← いつもこうなってます。ゆりあさんのお話を読むとお決まりです() お隣さんライフ最高です!!(`・ω・´)b (2020年4月19日 0時) (レス) id: e3c5443f13 (このIDを非表示/違反報告)
KannaK(プロフ) - いえいえ!全然大丈夫です! (2020年1月11日 8時) (レス) id: 677bcbe69e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆりあ | 作成日時:2019年10月14日 18時