頑張り屋さん ４

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side*大貴









侑李「……ほんとに昨日夜更かししたの？」




たまたまだよね？ちょっと疲れちゃっただけでしょ？……と、答える間も与えずにそう投げかける知念。


楽屋のソファーに座る山田は、膝に両肘をついて俯いていた。




宏太「撮影中に寝るなんておかしいだろ。……なんかあったのか？」




カメラマンさんが大らかな人で、貴重なショットが撮れた〜、なんて言っていたから良かったものの


仕事中に寝るなんて、さすがに俺も多少イラついてしまって。




慧「……なんとか言いなよ」




斜め前の一人がけソファーに座り、山田を見下ろすいのちゃん。


腕と足を組むその姿に、俺を含め年下組はちょっとびびる。




涼介「っ……」


裕翔「……やま？」




裕翔が小さく声をあげ、山田を見ていて。


それは、言葉を待つものじゃなくて……




裕翔「……痛くなっちゃうから、やめよ？」


涼介「んっ……く、」




裕翔は、山田に近づき足の横で動きを止めたその手に触れ、握った。


ふらふらと体を揺らす山田に苛立ちを覚えていた俺は、目を見張る。


山田は、自分の足をつねっていたんだ。皆からは見えない位置で。




涼介「…………」


裕翔「正直に話そうよ……」




その方が楽だよ？と、優しく声をかける裕翔。


しばらく考えたあと、ぎゅっと目を瞑ってふるふると首を振った。




宏太「……話す気がないなら話さなくていい。ただ……」




はぁ、とため息をついて立ち上がる薮ちゃんは、吐き捨てるようにこう言う。


『仕事に支障をきたすのは有り得ないからな』


……と。


それっきり、口を閉じてしまった山田は……


その言葉の意味を、ちゃんと受け取ることが出来たのだろうか。

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