■： ページ49
side*涼介
大貴「……もう大丈夫かな。苦しくない？」
涼介「……ん、」
必死だった。
『最後まで踊らなきゃ』
……そう思って。
でも気づいた時には、傍で大ちゃんの声が聞こえて、
周りにはメンバーがいて、曲も止められちゃってて。
俺……途中で辞めたんだ。アイドル失格じゃん。
涼介「……ごめんね、もう平気だから」
涙が出そうになるのを、下唇を噛んで堪えた。
心配そうに俺を見るみんなには、笑ってほしくて。
侑李「……なんで笑っていられるの」
涼介「……え？」
そんな俺の思いとは裏腹に、立ち尽くす一人のメンバー……
知念は、目に涙を溜めていた。
侑李「なんでそんな風に笑えるの？……辛いんでしょ？苦しいんでしょ？だったらなんで……っ、ぐす」
涼介「知念……」
侑李「泣きたいなら……泣けばよかったのに……！！
ムリして、笑わないでよっ……」
自分の体調が万全じゃないことは分かっていたし、周りも俺のことを気にかけてくれていたのも分かってる。
分かってるけど……
無理してでも笑っていなきゃ、どうにかなってしまいそうだった。
体が思うように動かなくて、出来ない自分に腹が立って
でも気持ちだけがどんどん前に進んでしまう。
こんなの、正面から向き合いでもしたら
俺、今度こそ元に戻れなくなりそうで……
涼介「っ……怖かったんだ」
……ぽろり。
頬を伝ったそれは、いつの日か流した涙。
涼介「たくさん怪我もしたし、たくさんリハビリもやって……辛かったけど……でも、俺が一番辛いのは……」
背中をぽんぽんと叩く大ちゃんの手が、
なんだか無性にあったかくて。
涼介「みんなを、困らせることだからっ…………」
拭っても、拭っても、溢れてくる涙。
止まらなくて、俺なんでこんなに弱いのかなって。
涼介「だから……“ 俺が ”笑っていたかったんだ……」
俺の前にしゃがんだ知念の手が伸びてきて
頬に流れる涙をなぞる。
侑李「なに言ってるの。……涼介が悲しいときは、いつだって一緒に泣きたいよ」
涼介「っ、知念……」
あぁもう。どうしてこの人たちは
俺を弱くするんだろうか。
侑李「頑張ったね……もう、一人じゃないよ」
涼介「……ありがとっ……」
その言葉がたまらなく温かくて
……気づいたら、自然と笑っていた。
……To be continued.
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ゆりあ(プロフ) - ももたさん» リクエストありがとうございます。今回は質問箱で募集していたのですが........インフルのお話はすでに頂いているものがあるので、そちらと繋げさせていただきます.......！ (2019年9月16日 22時) (
レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - だぁゆ ぅさん» 把握です！応援ありがとうございます！ (2019年9月16日 22時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - リクエストです。山田くんが高熱を出して、大ちゃんが病院に連れていきインフルの検査をして結果、インフルだったというのでお願いします。ちなみに！山田くんは病院が嫌いという設定で出来ますか？ (2019年9月7日 23時) (レス) id: 2f4d81a89f (このIDを非表示/違反報告)
だぁゆ ぅ(プロフ) - ゆりあさん» 元はなりんかです！ ありやまっていいですよね() いえいえ！これからも頑張ってください！ (2019年9月7日 17時) (レス) id: 487b9b0d9a (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - はなりんかさん» 良かったです笑 思いっきりありやまさせます！！！← ありがとうございます！ (2019年8月24日 10時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆりあ
| 作成日時：2018年7月21日 20時
