■： ページ43
side*大貴
怪我は、瓦礫の下敷きになったことから全身打撲、脚の骨折、足首の捻挫。
頭に傷は出来てしまったものの、幸いにも脳に異常はなかった。
医者が言うには、折れた鉄骨が背中から腰あたりに落ち、あと数ミリずれていたら脊髄を損傷していた可能性があったことも聞かされた。
そんな訳で怪我自体の完治には早くても一ヶ月、体力の回復も考えると元の状態に戻れるまであと……
ガタンッ＿＿！！
人もあまり通らない廊下に、響き渡った
何かが落ちたような、嫌な音。
大貴「山田っ……！！」
慌てて病室のドアを開けると、ぐちゃぐちゃになったベッドと、
床にべたりと倒れている山田。
大貴「大丈夫か！？」
駆け寄ると、うつ伏せに倒れた山田は
力のあまり震えた拳を床に叩きつけた。
涼介「……っ、くっそ……！」
タオルを濡らしに病室を出ていたのは、ほんの少しだったと思う。
ましてや、まだ自力で起き上がることもままならないはず……
大貴「ベッド戻ろう。な？」
落ちた衝撃で抜けてしまったのか、ポタポタと床に広がる血と薬。
強ばった体をさすってやりながら、ナースコールに手を伸ばした。
……これが、目覚めてまだ3日目の夜のこと。
.
別の日。
大貴「ゼリー買ってきたよ。食べる？」
朝ごはん全然食べていなくて……と困った顔をした看護師さんを思い出す。
これなら食べられるかと思って、さっき買ってきた。
大貴「夜には裕翔といのちゃん来てくれるって」
蓋を外し、スプーンでゼリーをすくう。
山田を見ると、心ここに在らずって感じで
目の焦点があっていないし、どこを見ているのかわからない。
大貴「おーい、山田さん？」
ふに、と頬をつまんでやると、やっと瞬きをした。
涼介「……だいちゃん」
大貴「ん？」
涼介「おれ……っ、早く退院しなきゃ」
大貴「……うん」
そう言った山田の瞳に、多分俺はいない。
スプーンを持つ手を止めて、浅く呼吸しだした背中をさする。
包帯の巻かれた手で、怪我をした脚を撫でると
涼介「早く…………みんなのところに帰りたい」
そう言って涙を流した。
……ねぇ、山田
お前の体も、お前の“こころ”も
俺らのところに帰っておいで。
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ゆりあ(プロフ) - ももたさん» リクエストありがとうございます。今回は質問箱で募集していたのですが........インフルのお話はすでに頂いているものがあるので、そちらと繋げさせていただきます.......！ (2019年9月16日 22時) (
レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - だぁゆ ぅさん» 把握です！応援ありがとうございます！ (2019年9月16日 22時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - リクエストです。山田くんが高熱を出して、大ちゃんが病院に連れていきインフルの検査をして結果、インフルだったというのでお願いします。ちなみに！山田くんは病院が嫌いという設定で出来ますか？ (2019年9月7日 23時) (レス) id: 2f4d81a89f (このIDを非表示/違反報告)
だぁゆ ぅ(プロフ) - ゆりあさん» 元はなりんかです！ ありやまっていいですよね() いえいえ！これからも頑張ってください！ (2019年9月7日 17時) (レス) id: 487b9b0d9a (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - はなりんかさん» 良かったです笑 思いっきりありやまさせます！！！← ありがとうございます！ (2019年8月24日 10時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆりあ
| 作成日時：2018年7月21日 20時
