トモスアカリ3 (ページ15)

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14話　ＮＯside ページ15

学校へ向かう朝、タオはハガネや先崎に言われたことや4年3組の子たちが自分を守ってくれたことや話しかけてくれたことを思い出しながら商店街を歩いていた

すると近くのお店の前で水撒きをしていただろうおばさんが水をタオの足元手前にかけた

「本屋で万引きした子よ」

「怖いわねぇ」

「悪いとこの子はやっぱり悪い子なんだねぇ」

「お宅も気をつけた方がいいわよ」

大の大人が本人に聞こえる声でタオの悪口を言いながら嫌そうな目をした

タオの我慢が限界を迎えそうだった時、すっと手を握られた

愛梨「タオ、一緒に学校行こう？」

タオ「…離して」

それでも愛梨はもう一度タオの手を取った

愛梨「行こう？タオ」

そう言ってタオの手を握ったまま先導して歩き始めた。そんな愛梨とタオを見てまた大人たちはヒソヒソと話した。その時、

「大の大人が子供相手にえらそーだね！ばっかじゃないの！」

そんな声が聞こえ、大人たちはざわついた。声を上げたのはともりだった

ともり「寄って集ってタオの悪口言って楽しいの？楽しいなら続けなよ！一生誰かの悪口言ってなよ！あんたたちがタオの何知ってんの！？知ってるなら全部言ってみな！」

すると大人たちは静かになった。ともりはタオたちを連れて商店街を抜けた。しばらくした時、まだ手を握ったまま前を歩く愛梨とともりをタオは止めた

愛梨「どうしたの？」

タオ「教室に入る前に探さなきゃ」

ともり「え、何を？」

すると今度は手を握ったままタオが前に出て2人を引っ張りながら走り出した

―――

真理衣「タオ、とうとう登校拒否かもね。あれだけ広たちが体張ったのにしらばっくれてさぁ…みんなに合わす顔ないよねぇ！」

「ないよなぁ」「ないない」

ハガネ「ねぇみんな、4月から隣の水河小が廃校になって1部の児童がうちの学校に通うことになるの知ってるよね」

「なんでその話するんだよ！」「有り得なぁい」「嫌なんだけど！」

ハガネ「ねぇなんでそんな嫌がんの！」

祐一郎「だって！全然知らない子と同じクラスになるかもしれないんだ」

南美「乱暴な子、多いって言うし！」

ハガネ「じゃあさ、もしうちの学校が廃校になって、みーんなバラバラになったとしたら？」

「絶対いや！」「そんなの無理〜！」

美奈「離れ離れになるとか有り得ないよ！」

「「そーだよ！」」

ハガネ「でも！この学校に転校してくる子達はみんな同じ思いを抱えてるの。それから、タオも」