11話 ともりside ページ12
真理衣「あんたたちバッカじゃないの？」
そういう真理衣の方をみんなが一斉に見た
真理衣「1円にもならないのに喧嘩なんかしてさ…」
すると急にタオがこの場を去ろうとしたから優介が追いかけた
優介「おい待てよ！広とともりに礼くらい言ったらどうなんだよ」
ともり「優介、いいよ…」
広「そうだよ。元々は僕たちのせいでタオに嫌な思いさせちゃったんだから。…タオ、本当にごめん」
ともり「私からも謝らせて。…タオ、ごめんなさい」
タオはそのまま走って行ってしまった
祐一郎「…広、佐藤も、なんであんな奴心配すんだよ」
広「わかんない」
ともり「なんか自分でも分からないけど…タオのことが気になるんだ」
愛梨「…先生、タオ、本当に私たちのこと嫌いなのかなぁ」
ハガネ「どうして？」
愛梨「私、本当のタオは他にいるような気がするの」
「いやいやないよなぁ」「ないない」「だってあいつさ〜」
―――放課後、ＮＯside
ハガネは前までタオが通っていた小学校を尋ねた
ハガネ「2人はタオと仲が1番良かったんだよね？」
「私たち、3人いつも一緒でした」
ハガネ「やっぱり…タオはご両親が国外退去させられることを恨んでた？」
「いいえ、悪いのは自分の親だからって笑ってました」
ハガネ「そうなの、？」
「はい、少しでも長く日本に残れて嬉しいって言ってたし…」
「でも、しばらくしたら、突然おかしくなって…」
「あたし達にも理由がわからないんです」
「タオは本当に優しい子でした。私がいじめに遭ってひとりぼっちでいた時も、真っ先に声をかけてくれたのはタオでした。タオ、本当にどうしちゃったんだろう…」
次にハガネはタオが住んでいる家に向かった。そこには壁中に悪口がスプレーやペンで書かれていて地面にはゴミが投げ捨てられていた
ハガネ「ひっどい…何これ…。
…タオ、私！担任の芳賀だけど、中にいるの？…タオ？」
結局タオは出てこず、家にいるのかもわからず、ハガネは家の外見を掃除し始めた
以前の学校にいた頃のタオは友達思いの優しい子だった
なのになぜ、タオはこんなにも変わってしまったのだろう
なぜ、4年3組の仲間に心を開こうとしないのだろう
そう考えながら磨いていると、タオが帰ってきた
ハガネ「おかえり！これなかなか消えないね。今日ね？タオが通ってた小学校行ってきたの。先生驚いちゃった。昔のタオはまるで今のタオとは別人なんだもん」
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作者名：水月 | 作成日時：2022年2月16日 17時
