第三十七話 ページ2
鱗滝が、非常に軽い霧雲杉を使って作ったのは、昼間に禰豆子を入れる箱。
持ってみると、本当に翼のように軽かった。
貴方「よし……
禰豆子〜、ここに入ることできるか?」
禰豆「……」
炭治「……ムー?」
毛布に隠れる禰豆子の前に、霧雲杉の箱を置いてみる。
すると禰豆子は、言われた通りに身体を小さくさせて、そのまま箱の中へと入ってくれた。
貴方「これからはいつも、三人で一緒だからな」
禰豆「……ムゥ」
そう言って眠そうな禰豆子の頬を少しだけ撫でたあと、ゆっくりと扉を閉める。
そして禰豆子が入った箱をそっと背負い、炭治郎と手を繋いで小屋から出ると、鱗滝さんも立ち上がった。
お見送りをしてくれるんだ。
貴方「では、行きます」
鱗滝「……少し、いいか」
鱗滝に向き直りそう言うと、鱗滝はそっとAの少し乱れた髪を撫でるように直した。
そして小さな声で「これでいい」と言った後、Aと炭治郎の肩に手を置く。
鱗滝「気をつけてな……」
貴方「……」
炭治「……」
お互い、名残惜しそうに……そして覚悟を決めたようにコクリと頷くAと炭治郎。
そして鱗滝に背を向け、Aは振り向かずに歩き出した。
*
____橋のある方まで歩くと、鴉の言っていた北西の町とやらに着いた。
「え、ちょっと見て!あの子すごい好みだわ……」
「まぁ……可愛らしいわぁ」
貴方「(あ、また炭治郎がモテてる)」
炭治「……」
"よかったなぁ、炭治郎"という思いを込めて頭を撫でると、炭治郎は何故か呆れたような顔をしていた。
撫でてる時も、後ろから黄色い歓声が聞こえてきたが……、無視をした(炭治郎はやらん)
だが少し安心した。町娘達には炭治郎が鬼だと分かっていない。
貴方「(……あの人)」
ふとAは、少し前でフラフラしながら歩く少年に目を向ける。
「和巳さん、一緒にいた時に里子ちゃんが攫われたから……」
「そう、だからあんなにやつれて…
お可哀想に……」
貴方「!」
早速情報をゲットしたAは、素早く和巳という少年の方に走り、優しく手を掴んだ。
すると和巳は驚いた顔で、後ろに振り向きAと目線を合わせる。
貴方「少し、話がある」
和巳「……え」
手を離し、和巳にだけ聞こえるように小さな声で「里子さんが居なくなった場所まで案内をお願いしたい」と言うと……
和巳は驚いたように目を見開いた。
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眠いちゃん - 続きみたいなぁ…って思ったら2019年だった…(2023年) (2023年1月6日 1時) (レス) @page4 id: acdc06f415 (このIDを非表示/違反報告)
垢 - 面白いです。 (2020年4月20日 18時) (レス) id: d1cc51c7c0 (このIDを非表示/違反報告)
ユリの花(プロフ) - 更新頑張って下さい!応援しています! (2020年2月15日 13時) (レス) id: c5c0f83ee7 (このIDを非表示/違反報告)
夢女子癒月 - 最近投稿ないけど大丈夫ですかああぁああぁああぁああぁぁあぁぁあぁッツッ!!!!!!!!????????(汚い高音) (2019年11月13日 23時) (レス) id: cca028059e (このIDを非表示/違反報告)
朱里(プロフ) - 続き楽しみにしてますニコ! (2019年11月10日 21時) (レス) id: c0f8ac05c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユキ | 作成日時:2019年8月25日 15時